もう一度だけ、キミに逢いたい。

結局宿題をやらずに、暑い中あてもなく外をぶらぶらと散歩することにした。


家にいても他にすることもないし、夏樹は友達の家に遊びに行ってる。


夏樹は俺と違って交友関係も広い。


それに、いつまでも母さんの死を引きずっている俺とは違い、立ち直るのが早かった。


母さんの葬式ではあんなに泣いていたのにな…




俺は友達がいないわけではなかったが、はっきりと友達だと言えるやつは二人くらいしかいない。


俺んちの複雑な家庭事情を知ってるものその二人だけだし。


だけど、母さんが亡くなったことはまだ話してないんだよな…


なんだか言いにくかったし、母さんが亡くなったのが夏休みに入る少し前だったから。




怖いな……時間の流れって。


俺が母さんの死を引きずっていようがいまいが、時間は毎日同じように流れていく。

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