もう一度だけ、キミに逢いたい。
母さんが何度も入退院を繰り返すようになってからはぱったり行かなくなったから、最後にきた時からもう二年は経ってるな…
久しぶりに見る景色に、懐かしさがこみ上げてくる。
そんなことを思っていたからだろうか、思わずポツリと本音が溢れた。
「あの頃と全然変わってないな……」
二つのブランコに大小一つずつある滑り台。
それに、少し大きめの砂場と大中小とある鉄棒。
他にも公園の前に生えている桜の木や、入ってすぐのところにある小さな花壇に至るまであの頃と何一つ変わっていない。
まるで俺の心の中と同じだな……
「ふっ……」
無意識とはいえ、なんてことを考えていたのだろうと思い、自嘲的な笑みが漏れる。
その時だった。
どこからかすすり泣くような声が聞こえてきたのは。