もう一度だけ、キミに逢いたい。
【16.】俺の初恋と約束
【伊織side】
………え?
その言葉を聞いて数秒、俺はフリーズする。
……………………
えっと…ゆりっていうのは、眠っているその少女の名前、だよな…?
似てるって……えっ?
ど、どういうことだ……?
俺は目の前の彼女の言う言葉の意味を理解しようとしたが、余計に分からなくなった。
そんな俺を見た彼女は、苦笑いしてこう付け足した。
「ごめんね。ちょっと言葉が足りなかったね。私が…ゆりちゃんと初めて会った時。ゆりちゃんの瞳は今以上に真っ黒くて、とても見ていられないくらい酷かった。なんだか人生全てに絶望してね、何もかも諦めてる感じだった…」
…っ……
人生全てに絶望、して……。
ゆりという少女の身に一体何があったというのだろうか。