もう一度だけ、キミに逢いたい。
俺が疑問に思ったところで、彼女は目をゆっくりと開いて再び俺を真剣な目でじっと見つめた。
「……ねぇ、伊織くん。私と一つ、約束してくれない…?」
「…約束、ですか……?」
「…うん。ゆりちゃんのこと」
彼女のこと…?
光さんが何を言いたいのか検討もつかなかったけど、とりあえず頷く。
すると、光さんはすーっと息を吐いてから口を開いた。
「……ゆりちゃんが好きなのならば、あの子のそばにいたいと思うのならば……
……ゆりちゃんに何があっても、何を背負っていても、決してそばを離れないでっ……。あの子のことを受け止めて……っ」
……っ!
光さんが……光さんが……涙を流している……
「あの子は……多分きみが思っているよりも数千倍…ううん、数万倍以上苦しんでるっ……。普通だったら、あの子の背負っているものを受け止めてあげられない……。それくらいひどいの……っ」