もう一度だけ、キミに逢いたい。
【17.】待ち望んだキミとの再会
【伊織side】
「す、好きです…!わ、私、入学した時から、月島くんのこと、ずっと見てました…!つ、付き合ってくださいっ……!」
目の前には顔を赤くして告白してくる女。
もちろん話したこともなければ見たこともないし、名前も知らない。
まあ入学した時からってことは同い年なんだろうけど、そんなことはどうでもいい。
なんとも思っていない女からそう何度も告白されるのもいい加減疲れてきた。
「……ごめん。きみの気持ちには答えられない」
相手に期待を持たせないようにキッパリと断った。
すると、女は明らかに泣きそうな表情に変わる。
「……っ、好きな人がいるって、本当なんですかっ……?」
「……ああ。俺、ずっと好きなやつがいるんだ。だから、付き合うならそいつとしか付き合わないって決めてるから」