もう一度だけ、キミに逢いたい。

“相手が誰であろうと、わたしは絶対に誰とも付き合いません”


って。




……学校に通えているということは、ある程度“人間恐怖症”は改善したのだろう。


しかし、そのセリフを聞く限り、“人間嫌い”の方はあの頃から変わっていないということは容易に予想できる。


誰とも関わろうとしないのもそのせいだろうし。




……マジでどうすればいいんだ、俺……。


考えろ…考えろ……まずは彼女に俺の存在を認識してもらわねーと…


このままじゃこの高校に来た意味がなくなってしまう。


“もう一度、彼女に逢いたい”


その一心で志望校をここ一本に絞り、中学三年間ずっと、猛勉強してきたんだ。




「……ごめんなさい。わたし、先輩の気持ちにはお応えできません。好きな理由を聞いておいて申し訳ないんですけど、わたし、誰とも付き合うつもりはないんです」


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