もう一度だけ、キミに逢いたい。
「別にお前には関係ないだろ?」
突然の俺の登場に、男の方はイライラを隠せていない。
……裏表激ししすぎだろ。
今思い出したけど、こいつ、確か一つ上のサッカー部のやつだ。
一部の女子が爽やかでかっこいいとか言ってた。
前に見かけたことがある。
そん時は別に何とも思ってなかったけど、今この瞬間から憎悪の対象に変わった。
「…へぇ。今すぐその手を離さないと、サッカー部の顧問の先生に報告するぞ。それでもいいんだな?」
あんたがその気なら、こっちにだって手はあるし。
「なっ……!ちっ、おい、お前覚えておけよ!」
俺が少し脅しただけで、男は呆気なく去っていった。
…ダッサ……。
去り際に俺に向かって捨てゼリフを吐いていったけど、あんなのただのはったりだろう。
下手をすれば、自分の本性をがバレてしまうかもしれないんだから。