もう一度だけ、キミに逢いたい。
わたしはいつものように断ったけど、先輩にキスされそうになって…
そこを助けてくれたのが、彼、月島 伊織くんだった。
その月島くんには応えて改めて放課後屋上に呼び出されて、絶対にあり得ないと思っていたのに、ストレートに告げられた言葉。
“……俺、友梨乃のことが好きだ”
…っ……
「……ねぇ、光ちゃん。光ちゃんは誰かを好きになったことある……?」
すると、わたしの質問が予想外だったのか、少し驚いた顔になった光ちゃん。
「……そう、だね。私は小さい頃から恋愛に夢見たことはなかったよ。それは今も同じ。好きな人はいたことなかったし、私には夢があって、ゆりちゃんがいればそれでいいよ」
そう、穏やかに語る光ちゃんは、本心を偽っているようには見えない。