もう一度だけ、キミに逢いたい。

わたしはそれ以上会話を聞いていたくなくて、布団を被って耳を塞いだ。


でも、光ちゃんがその後もおじさんとおばさんに冷静に返していたのは、なんとなく分かった。




今こうやって光ちゃんと二人で暮らせているのだって、光ちゃんのおかげ。


ほんとに感謝してもしきれないくらいなんだ。


それなのに、わたしは光ちゃんに何も返せない。


だけど、光ちゃんはわたしに対して見返りを求めたことはないし、そんなの必要ないよって、いつも言う。


だから……




「……それなら、わたしが光ちゃんのために生きる」


「…!ゆりちゃん、それは…「光ちゃんの言いたいことは分かるよ。でもね……わたし、時々自分が生きてる意味が分からなくなるっ…。だから、意味を見出すの。光ちゃんのために生きるんだよ?それがわたしにとって、どれくらいの幸せか分かるっ…?」

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