もう一度だけ、キミに逢いたい。
……が。
「なんでっ…なんでなの……!?なんで友達もろくにいなくて無表情で大して可愛くないその女なの……!?」
懲りていないのか、バカなのか、ゆりを貶す言葉を次々と並べる先程の女。
隣の二人は声こそ発さないものの、その女と俺の顔を交互に見てビクビクと震えていた。
……友達もろくにいなくて無表情で大して可愛くない?
ゆりが?
さすがの俺も、好きな女を傷つけられた挙句、貶されて黙っていられるほど大人ではなかった。
しかし、そんな俺よりも誰かが先に言葉を発した。
「…きみ、バカなの?誰が何て言おうと、伊織は鈴木さんしか見えてねぇよ。五年前から、ずっとな」
驚いて振り返った先にいたのは、玲音とゆりがいじめられているのを教えてくれた女子二人と、その他大勢だった。