もう一度だけ、キミに逢いたい。
「…!玲音……」
「…伊織、ここは俺がなんとかしといてやるから、早く鈴木さんを保健室に連れて行け」
「…!ああ、すまない玲音。後は頼んだ」
「了解〜」
後ろからこちらを見てヒソヒソと言っている人達の視線を感じたが、俺は構わず保健室へと向う。
その間も俺の心は全く穏やかではなかった。
さっき見た、泣き叫ぶゆりの姿……
五年前よりも酷かった、と思う…
学校では、俺以外の前では常に無表情で、絶対に素を見せないゆりが、我を忘れるまで暴れるなんて……
このさき、狂い出した歯車は、次々に残酷な現実を生み出していく……───