もう一度だけ、キミに逢いたい。

そして、必死に前に進もうとしているけど上手くいかなくて踠いている。


彼の瞳は多くのことを物語っていた。




……きっと彼ならゆりちゃんを受け止めてくれるんじゃないか。


彼と話すうちに、その想いが強くなったのは確かだった。


だけど、それを私からお願いすること違うとわかっていたから、彼にゆりちゃんをお願いなんて言わなかったし……、言えなかった。


ただ、ゆりちゃんと重なったっていうのもあって、彼には何でも話せちゃうような気もしたんだけどね。




……だからこそ。


彼と初めて会った一年後に偶然再会して、ゆりちゃんのことを教えてほしい、ゆりちゃんのことが好きだ、と言ってくれた時、涙が出そうなほど嬉しかった。


私がゆりちゃんと彼のことを想って心を鬼にして色々厳しいことを言っても、彼はこう言ったんだ。


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