もう一度だけ、キミに逢いたい。

ああ、そういうこと……って!


「ねぇ、今携帯鳴ってるって言った…?」


「え、あ、うん。さっきからずっと鳴ってけど」


うそ…全然気づかなかった…!


私はポッケからスマホを出して電源を入れると、ロック画面が表示される。


…!

この番号…


まずいっ…行かなきゃ……!




「ごめん、麻衣!私、急用できたから帰るっ!」


「え、ちょっ…光……!?」


私は戸惑っている麻衣の声を無視して大学内を疾走する。


ごめん、麻衣…!


でも今はそれどころじゃないのっ…




あの番号は、ゆりちゃんの学校の保健室の先生の番号だった。


何かあった時のために、メールアドレスと共に渡したもの。


何か特別なことがない限り、メールにしてほしいとお願いした。

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