もう一度だけ、キミに逢いたい。

……つまり、電話がきたということは。


ゆりちゃんの身に普通じゃない何かがあったということ。




ゆりちゃんっ……!


ひたすら疾走する私を、周りの人は何事かと見ていたけど、私は構わず走り続ける。


ちょうど大学を出たところで、片手でスマホを操作して保健室の先生、清田先生に電話をかける。


でも、走る足は止めない。


案の定先生はすぐに電話に出てくれて、そこで聞いた内容に私はスマホを落としそうになった。


だってっ…だってっ……ッ…はあ…ッ……。




大学から走り続けること10分。


ゆりちゃんが通う希望が丘に着いた。


こういう時、大学と近くてよかったと心底思う。


清田先生が話を通してくれたのか、ノーチェックで校内に入ることができた。

< 376 / 471 >

この作品をシェア

pagetop