もう一度だけ、キミに逢いたい。
……つまり、電話がきたということは。
ゆりちゃんの身に普通じゃない何かがあったということ。
ゆりちゃんっ……!
ひたすら疾走する私を、周りの人は何事かと見ていたけど、私は構わず走り続ける。
ちょうど大学を出たところで、片手でスマホを操作して保健室の先生、清田先生に電話をかける。
でも、走る足は止めない。
案の定先生はすぐに電話に出てくれて、そこで聞いた内容に私はスマホを落としそうになった。
だってっ…だってっ……ッ…はあ…ッ……。
大学から走り続けること10分。
ゆりちゃんが通う希望が丘に着いた。
こういう時、大学と近くてよかったと心底思う。
清田先生が話を通してくれたのか、ノーチェックで校内に入ることができた。