もう一度だけ、キミに逢いたい。

先ほどの言葉が頭の中で何度も何度もリピートされる。


……まるで、壊れたラジオのように。




恨んでも仕方ない、それでゆりちゃんが目を覚ますわけじゃない。


そうは分かっていても、ゆりちゃんにその言葉を放ったという見ず知らずの女子を、私はひどく恨んだ。


いや、憎んだ…




人を笑顔にしたり勇気づけたりすることができる“言葉”。


でも……人を人を傷つけたり、時には絶望を与えたりするのも、同じ……


“言葉”


ゆりちゃんが以前言っていたことを思い出す。




『言葉はね、一歩使い方を間違えると凶器になるんだよ…。自分がその言葉を言われて傷つかないか…。単純明快ことなのに、それをちゃんと考えられる人ってほんの一握りしかいないんだよね……』


そう話すゆりちゃんの横顔は、とても悲しそうで、今にも消えてしまいそうで…

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