もう一度だけ、キミに逢いたい。
【23.】もう一度、キミに逢うために
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なんでなんだろうか……
もうずっと歩いているのに、どれだけ歩いてもあたりは一面真っ暗闇でなにもなければ誰もいない。
「はあ…もうどうなってるの……」
わたし……死んだんだよね?
本当は死にたくなんてなかったけど、あれで生きてたら逆にすごいよ。
自分でもああ死ぬんだ、って思ったぐらいだもん…
…っ、ダメだ、思い出すな。
わたしは思い切り首を左右に振る。
もしかしたら死んでないかも、なんてそんな都合のいい話があるわけないし、伊織くんにもう一度逢えるかも、なんて期待もするだけ無駄なんだ。
「…誰でもいいから、わたしは死んだんだって言ってよ……」
わたしに変な期待を持たせないでよ…