もう一度だけ、キミに逢いたい。

「それにね、光ちゃんよりもそばにいたい、逢いたいって思う人に出逢ちゃったの……っ。本当は今も逢いたいっ、すごく逢いたいよ……っっ」




“逢いたい”


そのたった4文字を言葉にしただけで、さらに涙がブワッと溢れ出す。




伊織くん、好きっ…すごく好きっ……大好き……っ。


もし、伊織くんがわたしを好きじゃなくなってても、それでも好きっ……


伊織くんに逢いたいよ、逢いたい……っっ。






「………友梨乃」


ふわっ


「…その、伊織ってやつに逢いたいていう気持ちを大事にしろ。友梨乃がその気持ちを持ち続ける限り、死ぬことはない」


わたしの身体を優しく包み込みながら確かにそう言った伶くん。




「……っ、それ、ほんとのほんとっ……?」


本当にもう一度、伊織くんに逢えるのっ……?


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