もう一度だけ、キミに逢いたい。

「……わたしは、死んでない。もう一度、伊織くんに逢える……」




嬉しすぎて、本日何度目か分からない涙が溢れ出す。




「あらあら……友梨乃ったら、昔は全然泣かなかったのに、ずいぶん泣き虫になったのね…」


「まあ、いいじゃないか。逢えることが泣くほど嬉しい相手に巡り合えたんだ。少し寂しい気持ちもあるが、友梨乃に生きたいと思わせてくれた伊織くんとかいう彼と光ちゃんには感謝だな」


「…っ、パパ、ママ……っ」




わたしって幸せ者だっ…


わたしの家族はこんなにも暖かいっ……




「友梨乃はね、あっちの世界では手術が終わってからずっと眠ってるわ。いわゆる植物状態ね」


「あっちの世界に帰るには、友梨乃が来た道をひたすら進むの。そうすればきっといつか光のある場所へ辿り着けるはずだから」


「もしちょっとでも弱気になったり、不安になったりしたら、その花は少しづつ萎んでいくかもしれないから気をつけなよ?」




友花梨、佳菜子、真梨絵の順で色々と教えてくれる。


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