もう一度だけ、キミに逢いたい。
そっか、植物状態…
わたし、どのくらい眠ってるんだろう…?
きっと結構経ってるよね…
時計とか太陽とかがないから時間の感覚がいまいち分からないけれど、みんなと逢えるまで十数日は歩いたと思う。
……早く、戻らなくちゃ。
光ちゃんに死ぬほど心配をかけているはず。
それに、伊織くんに逢いたいっ……
わたしは両手の掌をギュッと握った。
「……友梨乃、この花はお前が持っておくといい」
「あ……うん。ありがとう、秋くん」
わたしはそっと差し出された花を秋くんから受け取った。
「……気をつけてな。俺たちはみんな、お前が生きて幸せになってくれることを願ってる」
そう言った秋くんの声はどこか切なそうで、顔も笑ってはいるもののやはり少し寂しげだった。