もう一度だけ、キミに逢いたい。
【24.】運命と奇跡で結ばれた二人
『ゆり、今日も来たよ』
あれ…誰かの声が聞こえる…。
『昨日は来られなくてごめんな…』
すごく聞いたことがあるはずなのに、なぜか思い出せない。
『ゆり…お願いだから、早く目を覚ませっ…。お前のいない世界はいつも、何かが足りないんだっ…。色も感動も何もかも……っ』
キミは、どうしてそんな泣きそうな声をしているの……?
わたしの、せい……?
なぜだかキミのそんな声を聞いていたくなくて、目を開けようとするけれど、目蓋が重くて目が開かない。
それに、頭もボーッとして思考も上手く働かない。
それでも今置かれている状況を必死に考える。
わたし、本当にどうしてこんな……
『俺だけじゃない、光さんも疾風さんも他のサークル皆さんもっ……』
また聞こえてきたその声と共に、右手と頭に何やら暖かな温もりを感じた。