もう一度だけ、キミに逢いたい。

あっ……この温もり、知っている気がする。




…ううん、気がするんじゃないっ…


知っいてる、知っているんだっ…


どうして……どうして忘れていたんだろうっ……




この温もりは、わたしが世界で一番大好きな、何度も何度も逢いたいと願った……っ。




自分が事故に遭ったことも、死を悟って最後にもう一度だけ伊織くん逢いたいと願ったことも、向こうで大切な家族に会ったことも、伊織くんに逢うためにこっちの世界に戻ろうとしていたことも、全部全部思い出したっ……




わたし…わたし…、本当に戻ってこれたんだっ…


全部思い出したからなのか、だんだんと意識がはっきりしてきて、心電図のモニターの音もちゃんと聞こえるようになってきた。




……それにしても、変わっていないな、この伊織くんの暖かな温もり。


触られていると、すごく安心するのっ…

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