もう一度だけ、キミに逢いたい。
早く、早く、伊織くんに逢いたいっ……
お願いっ……お願いだから、目を開かせて……っ。
───そう、願った瞬間。
フッと一気に目蓋が軽くなって、ゆっくりと目を開ける。
今までずっと暗闇の中にいたからか、どこからか差し込んでくる光が眩しくて仕方ない。
それでもわたしは、真っ先に伊織くんの姿を探す。
「…ゆ、り……?」
ものすごく小さくてか細い声だったけれど、わたしの耳にはしっかり届いた。
「いおり、くん……」
「ゆり…!?俺がっ…俺が、分かるのか……!?」
視界いっぱいに、信じられないというような顔をした伊織くんが映った。
「う、ん……」
分かるよ、分かる…
だってわたしは、伊織くんに逢いたくて戻ってきたんだからっ…