もう一度だけ、キミに逢いたい。
……!!
伊織、くん……っ。
まだまだ動きにくい身体全体が、伊織くんの温もりによって優しく包まれた。
ああ……
やっぱりキミは、わたしが大好きになった人だっ…
自分勝手な行動ばかり取って振り回して、しかも、交通事故に遭ってこんなに心配をかけたのに、それでもわたしのことを嫌わないでいてくれた。
それどころか、変わらずにずっと想ってくれていた。
なんてっ…なんて、幸せなんだろうっ……
わたしも伊織くんのことを抱きしめ返してあげたいのに、上手く身体が動かないせいでそれが叶わないことが今はすごくもどかしい。
わたしはしばらくの間、伊織くんの腕の中で幸せの気持ちを噛み締めていた。
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