もう一度だけ、キミに逢いたい。

「……悪い。ゆりが目覚めたことが嬉しすぎて、医者を呼ばなければならないことをすっかり忘れていた…」


先ほどの出来事が少し気まずかったのか、わたしが次の一言をいう前に、伊織くんは慌ただしく病室から出て行ってしまった。




あっ…行っちゃった…


伊織くんがいなくなったことでシンと静まり返る病室。


身体はまだ起こせないから、目だけをキョロキョロと動かす。


すると、ふと点滴のパックが目についた。




「えっ……」


だって…うそ、でしょ……?




信じられなくて何度も瞬きをしてから見返す
けど、そこに貼られていたラベルには間違いなく“2027年”と書かれてた。


うそ……本当にあれから7年も経ってしまったのっ……?




確かにわたしは向こうで暗闇の中をおよそ十数日もの間彷徨っていた。

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