もう一度だけ、キミに逢いたい。
エピローグ



* * *


一年後。




「あ、伊織くんっ!お待たせ、遅くなってごめんね?」


「…ん。そんなに待ってないから大丈夫だ。ほら、行くぞ?」


伊織くんはそう言って手を差し出してくれる。


「…うんっ」


わたしは迷いもなくその手を取った。


あまり表情は動かないけれど、そのさりげない優しさにわたしの胸はキュンと疼く。


「光さん、元気だったか?」


「うん、相変わらず忙しいみたいだけど、元
気だったよ」




そう、わたしは今日は午前中は久しぶりに光ちゃんに会ってきた。


半年前にようやっと半年間のリハビリ期間を終えて退院してからはずっと伊織くんと暮らしているため、昔みたいに光ちゃんに会える時間は減ってしまった。

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