もう一度だけ、キミに逢いたい。


もちろん、光ちゃんの仕事が忙しいのもあるけど、わたしも仕事を始めたから。


入院している間、伊織くんが買ってきてくれた雑誌に写っていたカフェの写真が目に留まった。


その時、カフェの店員さんとかいいかも、と思ったのがきっかけで結局最寄り駅にあるカフェで働き始めた。


どこかの会社に勤めたりするよりお給料はお安いけれど、仕事じたいはすごく楽しくて充実している。




「それより伊織くんは?お仕事終わりで疲れたりしてない?」


「…んなもん、ゆりに逢えて吹っ飛んだ」


「なっ……//」


そんなことサラッと言うなんて、


「ズルい……っ、不意打ちだよ、伊織くん……っ」




どちらかといえば普段はクールと呼ばれるようなタイプの伊織くん。


でも、わたしの前になるとこうやっていつもストレートに想いをぶつけてくる。


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