もう一度だけ、キミに逢いたい。

「……それは、俺のセリフ。いつもいつも不意打ちで俺をドキドキさせてくるくせに」


「そ、そんなことないもんっ…。いつもわたしの方がドキドキしてるよっ」


わたしは光ちゃんみたいに無自覚じゃないから不意打ちとかできないと思う…、多分?




「……やっぱ地味に無自覚だよな、ゆりって」


まあそこが可愛いんだけどさって続ける伊織くんは相変わらずだ。


伊織くんと二人でいると心臓が常に大変なことになってるけど、なんだかんだ言ってこうやってストレートに想いをぶつけてくる伊織くんが、わたしは大好きなんだ。




……だって、すごく愛されてるなって実感するから。




「……伊織くん。好き……大好き」






「……予定、変更。やっぱり今日は食事行くのやめた」


「え…!?ちょ、ちょっとどこへ行くの……!?」


いきなり意味不明なことを言い出して元来た道を戻り出す伊織くん。

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