もう一度だけ、キミに逢いたい。
さて、あとがきが長くなってしまっていますが、最後にわたしがこの物語を通して何を伝えたかったのか、一部ですが、言わせて下さい。
生きていれば、多かれ少なかれ辛いこと、苦しいことはたくさんあります。
それでも、それをただ悲観するのではなく、もっと周りを良く見てみて下さい。
そうすれば、もしかしたら小さな幸せがあるかもしれません。
伊織の言葉(実際には伊織のお母さんの言葉ですが)にもあるように、ないものを数えるばかりでは何もいいことはないんじゃないかな。
だってきっと、自分にないものを上げ始めたらキリがないのだから。
主人公のゆりが抱えている苦しみはとても極端なものですが、自分が抱えている苦しみと向き合えずに逃げてしまったことがあるという経験は多くの人があるのではないでしょうか。
実際にわたしも中学時代にそんな経験がありました。
だけれど、逃げたことで事態がいい方に進むことはなく、むしろ何も変わりませんでした。
苦しいことと向き合うのはとても勇気のいることだと思いますが、自分が前へ進むための一歩だとわたしは信じています。