もう一度だけ、キミに逢いたい。
…え?マジ……?
それってめちゃめちゃ頭いいじゃん。
「だけど……古典だけは出来なくて。60点だった」
60点で潰滅的に出来ないのね……
「…わたしでいいなら教えるよ。ただし、出来るようになるって保証はないけど」
「…そんなのいい。俺はゆりに教えてほしいんだ」
わたしが教えてもいいって言った途端、パアッと笑顔になる月島くん。
うっ…
その顔反則…
ほんとに心臓に悪い。
しかも彼の場合は、こうわりと無自覚っぽいからなぁ。
勉強開始から一時間。
「ゆり…すごいな。正直勉強出来ることは知ってたけど教え方も含めて想像以上」
「…そう?別にそんなことないよ」
……わたしが勉強出来るのは、“あの出来事”を思い出さないために、必死にのめり込んでいたから。