もう一度だけ、キミに逢いたい。

プルルル…


この重苦しい空気の中、響いたスマホの着信音。


この音、わたしのスマホだ…




「はい、もしもし…光ちゃん?」


わたしは相手が誰かを確認せずに電話に出る。


だって、わたしのスマホには光ちゃんの番号しか登録されていないから、わざわざ確認する必要がない。


『あ、ゆりちゃん?あのね、すっごく申し訳ないんだけど、今日大学のサークルのメンバーで食事しようっていう話になってて…』


ああ…光ちゃんが所属してるクイズ研究会のか。


「……わたしなら大丈夫だよ。光ちゃん、たまには行ってきなよ。最後に行ったの、三ヶ月くらい前でしょ」


『そうだけど……今日は雨の予報もあるからゆりちゃんを一人にはしたくないの。だから、ゆりちゃんも一緒に参加しない…?』

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