もう一度だけ、キミに逢いたい。

「…それに?」


「その弟の夏樹くん…多分月島くんのこと嫌いじゃないと思うよ」


すると、またもや驚いた表情になった彼。


「なんで夏樹に会ったことのないゆりがそんなこと分かるんだよ…」


少し苦しそうに眉を潜めている。




……わたしにだって分からないよ、本当は夏樹くんがどう思ってるのか。


月島くんの言う通り、わたしは夏樹くんに会ったことないんだから。


でも、よくよく考えてみた時に、少し引っかかる点があったから。


だから、思ったんだ。


もしかしたら、夏樹くんも彼と同じように自分に素直になれなくて、思ってることを上手く伝えられない不器用な人なのかなって。


月島くんは、わたしにはあんなに真っ直ぐ告白して来たのに、さっきの話を聞く限りじゃ、弟のことに関してはすごく空回っているように思える。


< 83 / 471 >

この作品をシェア

pagetop