もう一度だけ、キミに逢いたい。
「カップルに見える…?」
「…そうだね。でも、本当は仲のいい兄妹かもしれないよ?それと同じように、嫌いって言った夏樹くんのその言葉は本心?避けられていた理由は本当に月島くんが嫌いだから?…ほら、あげてみれば分からないことだらけでしょ?必ずしも自分の目で見たものだけじゃ、真実にはたどり着けないんだよ」
わたしはそう言いながら、無意識自分の行動を思い返していた。
わたし、月島くんにこんなこと言ってるけど、ほんとはわたしが言える立場じゃないんだよね…
いくら人と関わることに強いトラウマがあるとはいえ、自分から壁を作っているのに変わりはないから…
現に、わたしは、光ちゃん以外にわたしを見てくれている人はいない、と決めつけている。
この広い世界を見渡せば、“あんな人達”だけじゃないってことは分かっているのに。