3つの形
なぜならお母さんは、私が
小学五年生、11歳の時にがんで“死んだ”。
その時ぐらいから私は《制御不能系》に
なった。『母親が死んだ』という
悲しみの波に溺れていったのだ。

「今日も笑顔で頑張ろう。」
口のはしっこを人差し指で持ち上げる。
『笑顔』は、私の元気の源だ。
母は生前こう言っていた。

「人生、笑っていなくちゃ楽しくない!」

この言葉にどれだけ背中を押されたか。
お母さんは、よく笑う人だった。
でも、どんなことがあっても動じない
冷静さを持っていた。だから私は、
いつもお母さんに憧れていた。
あんな風になりたい。こんなことしたい。
私はお母さんみたいになりたかった。
だから私は真似をした。料理も、手芸も、
今の自分にできることは大体…。
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