3つの形
「おー、いってらっしゃーい。」
あ、私にはもう一人兄弟がいるのだった。
それは兄の鏡夜だ。
すごいイケメンで、背が高い中学3年生。みんなには「かっこいー」なんて言われて
チヤホヤされてるけど私は、そうは
思わない。だってだらしなくて、
自己中で、俺様だもん。
「おはようございます。鏡夜…さん。」
あーあ、紅葉ったら。顔赤くしちゃって…
いつも言ってるけど、オススメできるほど
いい男じゃないからね。見た目に
騙されるな。中身を見ろ、中身を。

「…って“行ってらっしゃい”
じゃないでしょ、鏡兄。今日からは
一緒に登校だってば!」
何か忘れてると思ったら…コレか。
「分かったから…ちょっと待ってろ。」
「紅葉待たせてるんだから早くして。」
「うるさいなぁ。…よし、行くか。」
鏡兄は荷物を持ち、だるそうに言った。
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