運命という名の足枷(仮)

──ジョフレ・ルーペルト・レヌンツィオ。

名門の伯爵家当主だ。

年若く頼りない皇帝の、腹心として宮中で活躍している。

見目麗しく、婦人達からの人気はすこぶる良いが、自他共に認める変人だ。

まるで抜け殻の様に、ふにゃふにゃと気が抜けており、無邪気で、能天気で、呑気で飄々とした、子供の様な人物だ。

──ヨランド・ディノアール。

彼女は、ジョフレに仕える暗殺者である。

幼少期、親に売られた暗殺ギルドから救ったジョフレの為に、暗躍する。

皇帝派のジョフレを妨害する、反 皇帝派の主要人物を始末するのが、ヨランドの仕事。

反 皇帝派というのは、退位した今なお、権力を持ち、権力を欲する上皇の味方、すなわち上皇派の事だ。

ヨランドは、皇帝に忠誠を誓っているジョフレに、忠誠を誓っている。

頼まれれば、汚れ仕事や情報収集も行う。

寧ろ、そちらがメインだ。
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