運命という名の足枷(仮)

ふぅ、と ため息をつくジョフレ。

自室の壁に掛けられている肖像画の前に歩み寄り、優雅な辞儀をする。

重々しげな 灰色のベールが掛けられている その肖像画に、熱っぽい視線を注ぎ、すっと 腕を伸ばす。

かすかに震える指が、ベールをつまみあげ、ジョフレは潤んだ瞳で、肖像画に描かれている人物の姿をあらわにする。

そして、複雑な想いを溜め込んだ表情で、肖像画の人物を見つめ、ゆっくりと、 唇を押し当てる。


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