来たれ!霊媒戦線!
《1話中編》
-高見荘-[ 7:00 ]
ピピピピーピピピピー♪
礼のスマホの目覚ましが部屋中に鳴り響く
礼『Zzz...ん~うっせーなぁ』
礼はゆっくりと起き始める
礼『もう朝か...ん?』
真横に仰向けになり涎を垂らす夢心地で幸せそうなサナが熊のぬいぐるみを片手で抱いて寝ていた。
・・・
礼(ん~女の子が自分の布団に寝ているこの状況本来なら嬉しいシチュエーションなのかもしれないが、どーもそうは思えん)
礼『おぃガキんちょ何真横で寝てんだ?』
サナ「ふぇ!?」
サナは現在の状況を約0.037秒で理解する
サナ(そ、そうか~普段なら寝たら存在が消えて無になるからうっかりしてたわ( ̄□ ̄;)礼の近くだと存在が消せない事を忘れてた~
ど、どうしよう//お兄ちゃんの面影を重ねてしまいうっかり添い寝をしてしまったなんて口が裂けても言えない!どうにかして誤魔化さなくてわ~)
サナ「あ、あら残念、礼がバカづらこいて無防備に寝てる隙に命でも奪ってやろうと思ったのにさ」
礼『いゃお前涎垂らして爆睡してたろ?』
サナは涎を恥ずかしそうに腕で拭き取る
サナ「ぐぅ!//朝からレディにこんな辱しめを...」
サナは周りの物を浮かし始める
礼『ほぅ!逆ギレか?威勢がいいじゃねーか!まぁ朝から軽い運動でも...』
「うーーー...」
とその時サナが浮かせたブラウン管テレビから女性の声が聞こえてくる
サナ「ひぃ!」
ドスッ!ガシャガシャ!!
ブラウン管テレビと共に浮かしていた物を全て地べたへと落とす
礼『ん?どうした?』
サナは礼に抱きつきテレビを指差す
サナ「い、い、今あ、あのテレビから声が聞こえたの!」
礼『声?』
と横に傾いたテレビを見た瞬間突然テレビの電源が入る
ブチッ!!
サナ「ひぃ!!」
サナは礼に強く抱きつく
礼『いやいやいやお前が怖がるのはおかしいだろ?( ̄□ ̄;)』
「うーーうーーーうーーーー」
テレビから女性の悲痛な声が響く
そこに映し出された映像は枯れ葉の中にぽつりとある井戸の映像だ
礼『が!?Σ( ̄□ ̄;)』
サナ「いやーーー!!これあれよ!きっと来るあれよーー!!」
礼『バカ!言うんじゃねー!』
映像の中の井戸から髪の長い女性がゆっくりと出て来た
それは何処かで見たことある様な光景だ
サナ「来るーー!きっと来るーー!」パニック
井戸から出た女性はどんどんこちらへと近づいてくる
「うーーーうーーー...」
礼『!』
バリーンッッ!!
礼は大人の事情で危なくなる前に己の拳でブラウン管テレビを殴り腕を貫通させた
礼『ハァハァ...まったくはらはらさせやがって!』
サナ「ふぅ、ってギャーー!!」
ふと下を見ると二人の足元に画面から出てきた髪の長い女性が横たわっていた
礼『ギャーーーー!!』
礼の声がマンション中へ響き渡る
シン「ん?」
響き渡った声はシンの住む101号室まで届いた
するとすぐにドタドタという足音がこちらへと向かって来るのをシンは感じる
シン「やめろ~今は来るな~」
シンはおどおどとあわて出す。
バーン!!
101号室のドアを勢いよく開ける
礼『おっさーん!!』
バラバラバラッ!←トランプが崩れる音
シン「ギャーーーーー!!」
シンはトランプタワーを制作中だったらしい
サナ「暇人か!アンタわ!」
シン「うー...あと上段だけだったのに...くそぅ」
礼『ってんなこたぁどうでもいいんだよ!来い!』
とシンの首根っこを持って礼の部屋へと連れていく
-206号室-
シンは事情を大体聞き煙草を取り出し火をつける
シン「ふぅ~まったくワタシも忙しいんだ勘弁してほしいね~」
礼『てめぇトランプで遊んでただけじゃねーか!』
ゴスッ!
シン「痛っ!」
礼『本業だろ本業!』
シン「あーはいはい(^_^;)えーとテレビからね~まぁ見るからにこの子は サ...」
礼 サナ『「あーーー!!」』
二人で止めに入る
シン「なに?」
礼『おっさん!てめぇ空気読め!』
するとテレビから出て来た霊が目を覚ました
サナ「あ!起きたわ!」
女性はゆっくりと身体を起こす
「...ここ...は?」
サナ「ぁ、えーと...」
その時サナと礼が目を合わせ心で会話を成立させる
礼(おいサナ!分かってんだろーな?くれぐれも踏みいった事聞くんじゃねーぞ?)
サナ(分かってるわよ!素性には一切触れず丁重に帰ってもらうわ まぁここは同じ幽霊に任せて起きなさい)
礼(OK頼りにしてるぜ!)
シン「で、君の名前は何て言うんだい?」
礼 サナ『「ゴラァァーー!!」』
「わたしの...名前は、サ...」
礼とサナはもうダメか!的な表情を浮かべる
「 サーコ...です。」
・・・
礼『さ、サーコ?』
サナ「微妙~セーフだけど」
シン「サーコさんね見た所画面から出て来たって事は君悪霊だね除霊していい?」
サナはサーコの前に立つ
サナ「ダメに決まってんでしょ?ぶっ飛ばすわよ!うちの礼が!」
と指を差す
礼『なんで俺だよ!』
サーコ「!?」
サーコは礼を見た瞬間ふわふわしていた意識が全部ふっ飛び急に目が覚める
サーコ「見つけました!私の王子様!」
とサーコが礼へと抱きつく
礼 サナ シン「「『Why!?Σ( ̄□ ̄;)』」」
サーコ「複雑な電子回路を潜り抜け画面の中を渡り歩きようやくたどり着きました!」
礼『・・・』
礼に長く抱きつくサーコを見てサナが動き出した
サナ「ちょ!ちょーと!一回離れなさい!」
サーコ「はい?」
サナ「えーとサーコ?だっけ?」
サーコ「はいサーコです。ってあらまぁあなたも幽霊じゃないですか?」
サナは腰に手を当て堂々と自己紹介をし始める
サナ「そーよ私の名前はサナって言うの!あなたと同じ能力持ちよ!あのねそれとそいつ(礼)は私が最初に取り付いた人間なんだから!そこんところ...」
サナの話をまるで聞かず礼に夢中のサーコだ
サーコ「王子様!是非とも貴方様のお名前を教えては頂けないでしょうか?」
礼『大木 礼だ』
サーコ「ではこれからは礼様とお呼び致しますね」
礼『ぉぅ』
サナ「って人の話し聞きなさいよー!」
サーコ「ん?聞いてますよサナさん先に礼様に取り付いたとおっしゃってましたね」
サナは少し面食らう
サナ「そ、そうよ」
サーコ「単刀直入に聞きますがサナさんあなたは礼様を愛してますか?」
サナ「ふぇ!何よ突然//ぃ、いゃだ、誰がこんな筋肉バカ...//」
サーコ「では礼様に取り付くのはやめて頂けませんか?迷惑です!」
礼『いや迷惑してんの俺ね』
シンは煙草を吹かす
シン「ふぅ~モテモテだね~礼くん」
ゴンッ!
シン「痛ッ!」
礼『殴るぞ』
シン「殴ってから言わないで」
サナ「とにかく!礼を守るのが私の義務なの!」
と言い放ちまた周りの物を浮かせる
サーコ「へぇそれがサナさんの能力ですか」
サナ「後悔しないことね」
サナは浮かせた物をサーコへと放つ
シン「いかん!」
シンは内ポケットから除霊用の御札に手をかける
サーコは何故か下を見て棒立ち状態だ
ドーン!
サナ「?」
礼が目の前に立ちはだかり飛んで来た物を全て片手で跳ね除けた
サナ「礼!邪魔しないで!そいつは...」
礼『サナ!』
サナ「ぅ...だって...だって」
礼『はぁ、ありがとうな俺を守ろうとしてくれて』
サナ「ふぇ?//あ...えっとごめんやり過ぎたわ」
シン「ふぅ」
シンは御札をそのまま内ポケットへと戻す
サナ「まぁ話し合いましょサーコ...あれ?」
サーコの姿が消えていた
礼『ん?帰ったのか?』
サーコ「いいえ礼様!私はこちらにいますわ」
どっからともなく声が聞こえる
礼 サナ シン『「「?」」』
サーコ「ここですわここ!」
ふと皆足元に落ちている礼のスマホへと目をやる
画面の中にまるでアプリケーションナビの様なドットの可愛いミニキャラになって入り込んでいた
礼『なんじゃこりゃー!』
サーコ「おほほ!サナさん残念でしたねこの状態の私にあなたは指一本触れられないですわ」
サナ「むー!霊媒師!この子を除霊しなさい!」
シン「君さっき止めてたよね?」
サーコ「やはりそちらの殿方は霊媒師でしたか、けど残念ながら画面の中にいる私はもはや別次元ですから除霊は不可能ですわ」
サナ「ふふふ、だったらそのスマホごと壊すまでよ」
サナがスマホを取ろうとするが礼に奪われる
礼『は辞めろ、の前に話し合うんじゃなかったのか?サナ』
サナ「うーん そ、そうね」
サナは感情をおさえる
シン「えーサーコくん改めて霊媒師のシンというものだ。職業柄君にいくつかの質問させてもらうよ、いいね?」
サーコ「お断りです。私霊媒師は嫌いですので」
シン「えーと...」
シンは礼に助けてくれ目線を強く送る
礼『はぁ、サーコまぁ答えてやってくれ』
サーコは画面の中で漫画の吹き出しみたいな物を出して分かりやすく答える
サーコ「もちろんです礼様!何なりと!」
礼『ぁ、ありがとう』
サナ「むー」
サナは少々膨れ気味だ
シン「えーとまずは君の能力を詳しく教えてほしい」
サーコ「はい、私の能力は画面の中だったら何処へでも行ける能力です テレビみたいに線さえ繋がっていれば電子回路を渡って全国のスクリーンから出ることが可能ですわ」
サナ「って事はこのスマホからは移動できないの?」
サーコ「そうですね電波での繋がりは移動不可です、このスマホの端子に充電器を差し込めばそこから移動できますわ」
礼はスマホの中でドットキャラが淡々と喋る光景についていけない模様
礼『なぁそもそもこりゃどういう原理だ?画面の中に入ってドット?アニメっぽくなったりよ』
シンは煙草を吹かす
シン「ふぅ~礼くん確かに不思議だし矛盾だらけかもしれない、だが少なくとも霊の世界においてわたしたちの理屈や原理 法則は全て通用しないのさ そもそも霊という存在事態がもはや非科学そのものだからね見たままの物をそういう物なんだと認識するしかない」
礼はこの世の中の広さを改めて見直す
礼『そういうものね~まぁ分かった。』
シン「さて質問の続きだが...」
サナ「なんであんた礼を探してたのよ!」
サナが割り込んで来た
サーコ「うふふ//礼様にはかつてこの身を助けて頂きました。」
サナ「いや死んでるから」
サーコ「肉体の死は大した問題ではありませんわ とにかくあの時から私は礼様の思いだけを胸にずっと画面の中をさ迷って参りました。途中巨大な火を吐く黒い怪獣に襲われたり(←ゴジラ)君の名は?と急に訳もわからず尋ねられたり 挙げ句の果てには足を滑らせて井戸へ落ちてしまいそこの先住民に怒られる始末で...」
サナ「だから井戸から出て来たのね」
礼『ある意味映画界のトップスターだな』
サーコ「けど今!こうして礼様にお会いでき私はこの上なく幸せで御座います!」
サナ「でサーコあんた礼に会って何を伝えたかったの?」
サーコ「ムッフフフ//」
サーコはスマホの画面から外へポコン♪っと出てきた。
サーコ「それは......あれれ...私何を伝えたかったのでしょう?結婚?子作り?あれれ?」
礼『どっちもお断りだ』
サーコ「そんな!嘘?思い出せないですわ!」
サナ「やっぱり」
礼『?』
シン「幽霊になると生前の記憶はほぼ忘れてしまうんだ」
サナ「かろうじて自分の名前あとは強い恨みや大好きな人や物を覚えていることがあるわ私だったらおにぃ...ゴホッ!(うっかりお兄ちゃんって言おうとしちゃったわ)えーと親とかね!まぁそれもちょっと曖昧なんだけど」
礼『ほぅー』
サーコが頭を抱えて一生懸命思い出そうとしている
サナ「たぶんこの子は礼へ対しての強い恋愛感情だけでさ迷っていたのね」
シン「礼くん過去になにか思い当たる伏しはないのかね?」
礼『んなこと言われてもな~』
サナ「このままじゃこの子ずっと悩んだままよ」
サーコは泣きそうな顔で礼を見つめる
礼『あ、あーとすまんやっぱり思い出せない』
サーコは急に礼の腕にしがみつく
礼『な、なんだぁ?』
サーコ「まぁ構いませんわ!だってこれから礼様のお側にずっといるんですもの!」
サナ「ちょーとぉ!」
サナが礼の反対の側の手をがっしり掴み引っ張る
礼『おい!てめぇら引っ張んな!ってか さっきからよく考えたらなんで俺に触れられんだよ!お前ら幽霊だろ?』
サーコ「礼様は触れられるのはお嫌いですか?」
サーコは自分の体を礼に押し当てる。むにゅ♪
サーコの体はサナの幼児体型とは違いなかなかの魅惑のボディである
礼(な、なんだこの感触は冷静になれ冷静になるんだ!相手は幽霊だぞ!)
サナはサーコのほっぺをつねって礼から引き離す
サーコ「いててて、サナさん冗談ですってば!ごっごめんなさい」
礼『ふぅ』
サナ「たしかに礼から私たちに触れることは出来ないわ けど逆は可能よ ほらよくテレビの心霊写真で霊の手が肩に乗ってたり後ろから抱きついているのを見ない?」
礼『あーそういや見たことあるな』
サナ「まぁこれも霊媒師の言う所のそういうものなのよ」
シン「ん?呼んだ?」
シンはちゃっかり置いてあるカップ麺を食べようとしていた
礼『おい、ふっざけんなてめぇ!それ俺の朝ごはんだ!』
シン「いやはやお腹空いちゃってね~まぁもうワタシが聞かなくても情報は十分手に入ったし 今さらここに住む悪霊が1体増えた所で問題はない」
シンはカップ麺を開ける
礼はシンの胸ぐらを掴む
礼『だからw開けんなってお前!』
シン「ところで礼くん今日から学校じゃないのかい?」
・・・
礼の脳内で学校じゃないのかい?の言葉が何度も響き渡る
礼『ガァーーーー!!!そうだったーー!!!いま時間は?』
[ 8:46 ]
礼『遅刻だーー!!!Σ( ̄□ ̄;)』
礼は新品の制服に素早く着替え鞄とスマホを持ち急いで玄関へ行く
シン「あ、カップ麺は?」
礼『やる!』
バン!!
と言い放ち扉を閉める
シンは煙草を取り出し吹かす
シン「ふぅ~...さてと悪霊さん方これでゆっくり話ができ...」
とシンが後ろを振り向く
シン「...あれぇ?誰もいない」
-通学路-
礼は凄いスピードで走って学校へ向かう
礼『ハァハァって!お前なについて来てんだ?サナ!』
サナは礼の背中にしがみついている
サナ「私はあんたを他の子から守る義務があるの!それより礼って足も早いのね!」
礼『いいから家に帰れお前!』
サナ「やーよ、それよりこの道で合ってんの?」
礼『ちっ!おいサナ!右ポケットからスマホ取ってくれ』
サナ「はいはーい」
サナはスマホをポケットから浮かし走っている礼の顔の前までもってくる
サナ「これで手を使わずスマホが見れるわ」
礼『おー地味だけど便利だな!』
するとスマホの画面が点灯し声がする
サーコ「はーいここからは私がアプリケーションを使ってナビゲート致しまーす!」
礼 サナ『「お前もいたんかーい!」』
-高見荘206号室-
シンがひとり寂しく礼の部屋でカップ麺をすすっている
シン「ズズー ん~既にあそこまで悪霊を従えるとはやはり礼くん恐ろしいな~」
シンが麺をすすっていると206号室の扉の前に誰かがやって来た
シンはすぐ気配に気づく
シン「ん?」
「うふふ、ここね」
外にいる人物は何か機械の様な物を取り出し鍵を開けようとする
シン「もう鍵は開いてるよ奈々さん」
キュイーン
扉が開く
奈々「あら貴方がいるなんて予定が狂うじゃない?」
シン「ここはワタシのテリトリーですよ貴方が来るのはルール違反じゃないんですか?新型機械を使い次世代の除霊を行う国家霊媒師教会No.5の橘 奈々さん」
奈々「ふふ、なーにNo.を抜かされたことまだ根に持ってるのかしら?」
と奈々はプロジェクターの様に壁に光を当て教会から配布されたルールブックのページを映し出す。
奈々「ルールその23自身の与えられた範囲 テリトリー以外での活動を禁ずる。だったわね、けどね一般人が巻き込まれた際にはこのルールは全て向こうよ人命救助が最優先されるわ」
映像を消す
シンはカップ麺を食べながら答える
シン「ズズーわざわざ分かりやすくどーも、やはり貴方は情報を仕入れるのが早い、まぁここを狙っていたのは元々知ってましたけどね もう来てしまうなんて商売上がったりですよ」
奈々は土足のまま中へ入って来る
奈々「で?悪霊はどこに行ったの?」
奈々はレーダーの様な機械を取り出す
奈々「今から7分24秒前ここから2体の悪霊を感知したわ貴方が除霊したなんて様子もないしね」
シン「あはは、ワタシも悪霊がいると思いこうして除霊しに来たのですが姿を消されてしまい、いやはや面目無い」
とシンは嘘をついた
シン(今は礼くんの選んだ新たな可能性をわたしは信じたい だからこの女に知られる訳にはいかない)
奈々「へぇそうなの?それ本当なの?」
シン「はい、本当ですとも」
ブーーー♪
奈々の腰にぶら下げているストラップから音が鳴る
奈々「嘘ね、このストラップは嘘発見器なのその正解率は98%」
シン「はぁ~これだから科学の進歩ってやつはおじさんにはついて行けないね~」
奈々「まぁ貴方が嘘をつく理由はどうでもいいわ あの子はどうしたの?あのやけにでかい気のかたまりのえーと大...何とか礼?って子」
シン「学校ですよ今日から2年生に編入...ぁ、そう言えば貴方も同じ学校...」
奈々の中で同じ学校という言葉が何度も響き渡る
奈々「ギャーーーー!!忘れてたーーー!!」
奈々は走って帰る
シン「ふぅ~...扉くらい閉めて行きなさいよ~まぁこれでひとまず安心か...いやいや!同じ高校だから安心じゃない!むしろ余計に大ピンチじゃないかーい!」
・・・
シン「まぁ礼くんなら問題ないか、それに橘 奈々は...ズズー」
《1話後編へ》
-高見荘-[ 7:00 ]
ピピピピーピピピピー♪
礼のスマホの目覚ましが部屋中に鳴り響く
礼『Zzz...ん~うっせーなぁ』
礼はゆっくりと起き始める
礼『もう朝か...ん?』
真横に仰向けになり涎を垂らす夢心地で幸せそうなサナが熊のぬいぐるみを片手で抱いて寝ていた。
・・・
礼(ん~女の子が自分の布団に寝ているこの状況本来なら嬉しいシチュエーションなのかもしれないが、どーもそうは思えん)
礼『おぃガキんちょ何真横で寝てんだ?』
サナ「ふぇ!?」
サナは現在の状況を約0.037秒で理解する
サナ(そ、そうか~普段なら寝たら存在が消えて無になるからうっかりしてたわ( ̄□ ̄;)礼の近くだと存在が消せない事を忘れてた~
ど、どうしよう//お兄ちゃんの面影を重ねてしまいうっかり添い寝をしてしまったなんて口が裂けても言えない!どうにかして誤魔化さなくてわ~)
サナ「あ、あら残念、礼がバカづらこいて無防備に寝てる隙に命でも奪ってやろうと思ったのにさ」
礼『いゃお前涎垂らして爆睡してたろ?』
サナは涎を恥ずかしそうに腕で拭き取る
サナ「ぐぅ!//朝からレディにこんな辱しめを...」
サナは周りの物を浮かし始める
礼『ほぅ!逆ギレか?威勢がいいじゃねーか!まぁ朝から軽い運動でも...』
「うーーー...」
とその時サナが浮かせたブラウン管テレビから女性の声が聞こえてくる
サナ「ひぃ!」
ドスッ!ガシャガシャ!!
ブラウン管テレビと共に浮かしていた物を全て地べたへと落とす
礼『ん?どうした?』
サナは礼に抱きつきテレビを指差す
サナ「い、い、今あ、あのテレビから声が聞こえたの!」
礼『声?』
と横に傾いたテレビを見た瞬間突然テレビの電源が入る
ブチッ!!
サナ「ひぃ!!」
サナは礼に強く抱きつく
礼『いやいやいやお前が怖がるのはおかしいだろ?( ̄□ ̄;)』
「うーーうーーーうーーーー」
テレビから女性の悲痛な声が響く
そこに映し出された映像は枯れ葉の中にぽつりとある井戸の映像だ
礼『が!?Σ( ̄□ ̄;)』
サナ「いやーーー!!これあれよ!きっと来るあれよーー!!」
礼『バカ!言うんじゃねー!』
映像の中の井戸から髪の長い女性がゆっくりと出て来た
それは何処かで見たことある様な光景だ
サナ「来るーー!きっと来るーー!」パニック
井戸から出た女性はどんどんこちらへと近づいてくる
「うーーーうーーー...」
礼『!』
バリーンッッ!!
礼は大人の事情で危なくなる前に己の拳でブラウン管テレビを殴り腕を貫通させた
礼『ハァハァ...まったくはらはらさせやがって!』
サナ「ふぅ、ってギャーー!!」
ふと下を見ると二人の足元に画面から出てきた髪の長い女性が横たわっていた
礼『ギャーーーー!!』
礼の声がマンション中へ響き渡る
シン「ん?」
響き渡った声はシンの住む101号室まで届いた
するとすぐにドタドタという足音がこちらへと向かって来るのをシンは感じる
シン「やめろ~今は来るな~」
シンはおどおどとあわて出す。
バーン!!
101号室のドアを勢いよく開ける
礼『おっさーん!!』
バラバラバラッ!←トランプが崩れる音
シン「ギャーーーーー!!」
シンはトランプタワーを制作中だったらしい
サナ「暇人か!アンタわ!」
シン「うー...あと上段だけだったのに...くそぅ」
礼『ってんなこたぁどうでもいいんだよ!来い!』
とシンの首根っこを持って礼の部屋へと連れていく
-206号室-
シンは事情を大体聞き煙草を取り出し火をつける
シン「ふぅ~まったくワタシも忙しいんだ勘弁してほしいね~」
礼『てめぇトランプで遊んでただけじゃねーか!』
ゴスッ!
シン「痛っ!」
礼『本業だろ本業!』
シン「あーはいはい(^_^;)えーとテレビからね~まぁ見るからにこの子は サ...」
礼 サナ『「あーーー!!」』
二人で止めに入る
シン「なに?」
礼『おっさん!てめぇ空気読め!』
するとテレビから出て来た霊が目を覚ました
サナ「あ!起きたわ!」
女性はゆっくりと身体を起こす
「...ここ...は?」
サナ「ぁ、えーと...」
その時サナと礼が目を合わせ心で会話を成立させる
礼(おいサナ!分かってんだろーな?くれぐれも踏みいった事聞くんじゃねーぞ?)
サナ(分かってるわよ!素性には一切触れず丁重に帰ってもらうわ まぁここは同じ幽霊に任せて起きなさい)
礼(OK頼りにしてるぜ!)
シン「で、君の名前は何て言うんだい?」
礼 サナ『「ゴラァァーー!!」』
「わたしの...名前は、サ...」
礼とサナはもうダメか!的な表情を浮かべる
「 サーコ...です。」
・・・
礼『さ、サーコ?』
サナ「微妙~セーフだけど」
シン「サーコさんね見た所画面から出て来たって事は君悪霊だね除霊していい?」
サナはサーコの前に立つ
サナ「ダメに決まってんでしょ?ぶっ飛ばすわよ!うちの礼が!」
と指を差す
礼『なんで俺だよ!』
サーコ「!?」
サーコは礼を見た瞬間ふわふわしていた意識が全部ふっ飛び急に目が覚める
サーコ「見つけました!私の王子様!」
とサーコが礼へと抱きつく
礼 サナ シン「「『Why!?Σ( ̄□ ̄;)』」」
サーコ「複雑な電子回路を潜り抜け画面の中を渡り歩きようやくたどり着きました!」
礼『・・・』
礼に長く抱きつくサーコを見てサナが動き出した
サナ「ちょ!ちょーと!一回離れなさい!」
サーコ「はい?」
サナ「えーとサーコ?だっけ?」
サーコ「はいサーコです。ってあらまぁあなたも幽霊じゃないですか?」
サナは腰に手を当て堂々と自己紹介をし始める
サナ「そーよ私の名前はサナって言うの!あなたと同じ能力持ちよ!あのねそれとそいつ(礼)は私が最初に取り付いた人間なんだから!そこんところ...」
サナの話をまるで聞かず礼に夢中のサーコだ
サーコ「王子様!是非とも貴方様のお名前を教えては頂けないでしょうか?」
礼『大木 礼だ』
サーコ「ではこれからは礼様とお呼び致しますね」
礼『ぉぅ』
サナ「って人の話し聞きなさいよー!」
サーコ「ん?聞いてますよサナさん先に礼様に取り付いたとおっしゃってましたね」
サナは少し面食らう
サナ「そ、そうよ」
サーコ「単刀直入に聞きますがサナさんあなたは礼様を愛してますか?」
サナ「ふぇ!何よ突然//ぃ、いゃだ、誰がこんな筋肉バカ...//」
サーコ「では礼様に取り付くのはやめて頂けませんか?迷惑です!」
礼『いや迷惑してんの俺ね』
シンは煙草を吹かす
シン「ふぅ~モテモテだね~礼くん」
ゴンッ!
シン「痛ッ!」
礼『殴るぞ』
シン「殴ってから言わないで」
サナ「とにかく!礼を守るのが私の義務なの!」
と言い放ちまた周りの物を浮かせる
サーコ「へぇそれがサナさんの能力ですか」
サナ「後悔しないことね」
サナは浮かせた物をサーコへと放つ
シン「いかん!」
シンは内ポケットから除霊用の御札に手をかける
サーコは何故か下を見て棒立ち状態だ
ドーン!
サナ「?」
礼が目の前に立ちはだかり飛んで来た物を全て片手で跳ね除けた
サナ「礼!邪魔しないで!そいつは...」
礼『サナ!』
サナ「ぅ...だって...だって」
礼『はぁ、ありがとうな俺を守ろうとしてくれて』
サナ「ふぇ?//あ...えっとごめんやり過ぎたわ」
シン「ふぅ」
シンは御札をそのまま内ポケットへと戻す
サナ「まぁ話し合いましょサーコ...あれ?」
サーコの姿が消えていた
礼『ん?帰ったのか?』
サーコ「いいえ礼様!私はこちらにいますわ」
どっからともなく声が聞こえる
礼 サナ シン『「「?」」』
サーコ「ここですわここ!」
ふと皆足元に落ちている礼のスマホへと目をやる
画面の中にまるでアプリケーションナビの様なドットの可愛いミニキャラになって入り込んでいた
礼『なんじゃこりゃー!』
サーコ「おほほ!サナさん残念でしたねこの状態の私にあなたは指一本触れられないですわ」
サナ「むー!霊媒師!この子を除霊しなさい!」
シン「君さっき止めてたよね?」
サーコ「やはりそちらの殿方は霊媒師でしたか、けど残念ながら画面の中にいる私はもはや別次元ですから除霊は不可能ですわ」
サナ「ふふふ、だったらそのスマホごと壊すまでよ」
サナがスマホを取ろうとするが礼に奪われる
礼『は辞めろ、の前に話し合うんじゃなかったのか?サナ』
サナ「うーん そ、そうね」
サナは感情をおさえる
シン「えーサーコくん改めて霊媒師のシンというものだ。職業柄君にいくつかの質問させてもらうよ、いいね?」
サーコ「お断りです。私霊媒師は嫌いですので」
シン「えーと...」
シンは礼に助けてくれ目線を強く送る
礼『はぁ、サーコまぁ答えてやってくれ』
サーコは画面の中で漫画の吹き出しみたいな物を出して分かりやすく答える
サーコ「もちろんです礼様!何なりと!」
礼『ぁ、ありがとう』
サナ「むー」
サナは少々膨れ気味だ
シン「えーとまずは君の能力を詳しく教えてほしい」
サーコ「はい、私の能力は画面の中だったら何処へでも行ける能力です テレビみたいに線さえ繋がっていれば電子回路を渡って全国のスクリーンから出ることが可能ですわ」
サナ「って事はこのスマホからは移動できないの?」
サーコ「そうですね電波での繋がりは移動不可です、このスマホの端子に充電器を差し込めばそこから移動できますわ」
礼はスマホの中でドットキャラが淡々と喋る光景についていけない模様
礼『なぁそもそもこりゃどういう原理だ?画面の中に入ってドット?アニメっぽくなったりよ』
シンは煙草を吹かす
シン「ふぅ~礼くん確かに不思議だし矛盾だらけかもしれない、だが少なくとも霊の世界においてわたしたちの理屈や原理 法則は全て通用しないのさ そもそも霊という存在事態がもはや非科学そのものだからね見たままの物をそういう物なんだと認識するしかない」
礼はこの世の中の広さを改めて見直す
礼『そういうものね~まぁ分かった。』
シン「さて質問の続きだが...」
サナ「なんであんた礼を探してたのよ!」
サナが割り込んで来た
サーコ「うふふ//礼様にはかつてこの身を助けて頂きました。」
サナ「いや死んでるから」
サーコ「肉体の死は大した問題ではありませんわ とにかくあの時から私は礼様の思いだけを胸にずっと画面の中をさ迷って参りました。途中巨大な火を吐く黒い怪獣に襲われたり(←ゴジラ)君の名は?と急に訳もわからず尋ねられたり 挙げ句の果てには足を滑らせて井戸へ落ちてしまいそこの先住民に怒られる始末で...」
サナ「だから井戸から出て来たのね」
礼『ある意味映画界のトップスターだな』
サーコ「けど今!こうして礼様にお会いでき私はこの上なく幸せで御座います!」
サナ「でサーコあんた礼に会って何を伝えたかったの?」
サーコ「ムッフフフ//」
サーコはスマホの画面から外へポコン♪っと出てきた。
サーコ「それは......あれれ...私何を伝えたかったのでしょう?結婚?子作り?あれれ?」
礼『どっちもお断りだ』
サーコ「そんな!嘘?思い出せないですわ!」
サナ「やっぱり」
礼『?』
シン「幽霊になると生前の記憶はほぼ忘れてしまうんだ」
サナ「かろうじて自分の名前あとは強い恨みや大好きな人や物を覚えていることがあるわ私だったらおにぃ...ゴホッ!(うっかりお兄ちゃんって言おうとしちゃったわ)えーと親とかね!まぁそれもちょっと曖昧なんだけど」
礼『ほぅー』
サーコが頭を抱えて一生懸命思い出そうとしている
サナ「たぶんこの子は礼へ対しての強い恋愛感情だけでさ迷っていたのね」
シン「礼くん過去になにか思い当たる伏しはないのかね?」
礼『んなこと言われてもな~』
サナ「このままじゃこの子ずっと悩んだままよ」
サーコは泣きそうな顔で礼を見つめる
礼『あ、あーとすまんやっぱり思い出せない』
サーコは急に礼の腕にしがみつく
礼『な、なんだぁ?』
サーコ「まぁ構いませんわ!だってこれから礼様のお側にずっといるんですもの!」
サナ「ちょーとぉ!」
サナが礼の反対の側の手をがっしり掴み引っ張る
礼『おい!てめぇら引っ張んな!ってか さっきからよく考えたらなんで俺に触れられんだよ!お前ら幽霊だろ?』
サーコ「礼様は触れられるのはお嫌いですか?」
サーコは自分の体を礼に押し当てる。むにゅ♪
サーコの体はサナの幼児体型とは違いなかなかの魅惑のボディである
礼(な、なんだこの感触は冷静になれ冷静になるんだ!相手は幽霊だぞ!)
サナはサーコのほっぺをつねって礼から引き離す
サーコ「いててて、サナさん冗談ですってば!ごっごめんなさい」
礼『ふぅ』
サナ「たしかに礼から私たちに触れることは出来ないわ けど逆は可能よ ほらよくテレビの心霊写真で霊の手が肩に乗ってたり後ろから抱きついているのを見ない?」
礼『あーそういや見たことあるな』
サナ「まぁこれも霊媒師の言う所のそういうものなのよ」
シン「ん?呼んだ?」
シンはちゃっかり置いてあるカップ麺を食べようとしていた
礼『おい、ふっざけんなてめぇ!それ俺の朝ごはんだ!』
シン「いやはやお腹空いちゃってね~まぁもうワタシが聞かなくても情報は十分手に入ったし 今さらここに住む悪霊が1体増えた所で問題はない」
シンはカップ麺を開ける
礼はシンの胸ぐらを掴む
礼『だからw開けんなってお前!』
シン「ところで礼くん今日から学校じゃないのかい?」
・・・
礼の脳内で学校じゃないのかい?の言葉が何度も響き渡る
礼『ガァーーーー!!!そうだったーー!!!いま時間は?』
[ 8:46 ]
礼『遅刻だーー!!!Σ( ̄□ ̄;)』
礼は新品の制服に素早く着替え鞄とスマホを持ち急いで玄関へ行く
シン「あ、カップ麺は?」
礼『やる!』
バン!!
と言い放ち扉を閉める
シンは煙草を取り出し吹かす
シン「ふぅ~...さてと悪霊さん方これでゆっくり話ができ...」
とシンが後ろを振り向く
シン「...あれぇ?誰もいない」
-通学路-
礼は凄いスピードで走って学校へ向かう
礼『ハァハァって!お前なについて来てんだ?サナ!』
サナは礼の背中にしがみついている
サナ「私はあんたを他の子から守る義務があるの!それより礼って足も早いのね!」
礼『いいから家に帰れお前!』
サナ「やーよ、それよりこの道で合ってんの?」
礼『ちっ!おいサナ!右ポケットからスマホ取ってくれ』
サナ「はいはーい」
サナはスマホをポケットから浮かし走っている礼の顔の前までもってくる
サナ「これで手を使わずスマホが見れるわ」
礼『おー地味だけど便利だな!』
するとスマホの画面が点灯し声がする
サーコ「はーいここからは私がアプリケーションを使ってナビゲート致しまーす!」
礼 サナ『「お前もいたんかーい!」』
-高見荘206号室-
シンがひとり寂しく礼の部屋でカップ麺をすすっている
シン「ズズー ん~既にあそこまで悪霊を従えるとはやはり礼くん恐ろしいな~」
シンが麺をすすっていると206号室の扉の前に誰かがやって来た
シンはすぐ気配に気づく
シン「ん?」
「うふふ、ここね」
外にいる人物は何か機械の様な物を取り出し鍵を開けようとする
シン「もう鍵は開いてるよ奈々さん」
キュイーン
扉が開く
奈々「あら貴方がいるなんて予定が狂うじゃない?」
シン「ここはワタシのテリトリーですよ貴方が来るのはルール違反じゃないんですか?新型機械を使い次世代の除霊を行う国家霊媒師教会No.5の橘 奈々さん」
奈々「ふふ、なーにNo.を抜かされたことまだ根に持ってるのかしら?」
と奈々はプロジェクターの様に壁に光を当て教会から配布されたルールブックのページを映し出す。
奈々「ルールその23自身の与えられた範囲 テリトリー以外での活動を禁ずる。だったわね、けどね一般人が巻き込まれた際にはこのルールは全て向こうよ人命救助が最優先されるわ」
映像を消す
シンはカップ麺を食べながら答える
シン「ズズーわざわざ分かりやすくどーも、やはり貴方は情報を仕入れるのが早い、まぁここを狙っていたのは元々知ってましたけどね もう来てしまうなんて商売上がったりですよ」
奈々は土足のまま中へ入って来る
奈々「で?悪霊はどこに行ったの?」
奈々はレーダーの様な機械を取り出す
奈々「今から7分24秒前ここから2体の悪霊を感知したわ貴方が除霊したなんて様子もないしね」
シン「あはは、ワタシも悪霊がいると思いこうして除霊しに来たのですが姿を消されてしまい、いやはや面目無い」
とシンは嘘をついた
シン(今は礼くんの選んだ新たな可能性をわたしは信じたい だからこの女に知られる訳にはいかない)
奈々「へぇそうなの?それ本当なの?」
シン「はい、本当ですとも」
ブーーー♪
奈々の腰にぶら下げているストラップから音が鳴る
奈々「嘘ね、このストラップは嘘発見器なのその正解率は98%」
シン「はぁ~これだから科学の進歩ってやつはおじさんにはついて行けないね~」
奈々「まぁ貴方が嘘をつく理由はどうでもいいわ あの子はどうしたの?あのやけにでかい気のかたまりのえーと大...何とか礼?って子」
シン「学校ですよ今日から2年生に編入...ぁ、そう言えば貴方も同じ学校...」
奈々の中で同じ学校という言葉が何度も響き渡る
奈々「ギャーーーー!!忘れてたーーー!!」
奈々は走って帰る
シン「ふぅ~...扉くらい閉めて行きなさいよ~まぁこれでひとまず安心か...いやいや!同じ高校だから安心じゃない!むしろ余計に大ピンチじゃないかーい!」
・・・
シン「まぁ礼くんなら問題ないか、それに橘 奈々は...ズズー」
《1話後編へ》