来たれ!霊媒戦線!
《1話後編》
-通学路-
全速力で走る礼
礼『うおーーー!!』
サーコ「学校まであと48メートルです。す、凄いです礼様!現在時速24.6kmを記録致しました。」
サナ「あんた人間やめれるわよ」
礼『やめてたまるかー』
ザザーー!!
学校の門の前までたどり着く
礼『うっしゃ!間に合ったー!』
キーンコーンカーンコーン♪
サナ「いゃあんたこれ一時限終わったチャイムよ」
礼『間に合ってねーー!』
礼は頭を抱える
礼『あーれ?おかしい何故だ!何故に一時間も掛かってんだ?あの高見荘からだと20分で着くはずなのに』
サーコ「礼様それはこちらの交通経路を利用された場合です。」
とサーコは地図と路線図をスマホ画面に見やすく提示する
そこに記載されていたのは柏から松戸へ電車を使って行く経路だ
礼『電車...だと!?』
サナ「ちょっと!サーコ!電車使うなら最初から言いなさいよ!」
サーコ「す、すいませーん//」
サナはサーコへ説教をする
その様子を三階にある三年生の教室から窓越しに見つめる一つの影が現れる
「ほう、あの子例のアパートの住人か悪霊まで支援しているとは、それにしてもあの魂のオーラはなんだ?あれじゃ容易に僕が近づけないじゃないか」
サナ「?」
その時サナが気配に気づく
礼「どうしたサナ?」
サナ(何?今の?人でも霊でもない変な殺気は)
サナ「礼私ちょっと姿を消すわ」
と礼から離れて行く
礼『え?』
サナ「だってもしも他の霊媒師に見つかった時困るでしょーあんたの近くにいると姿を消せないから旦離れるわー」
とサナは姿を消す
礼『 あーなるほどサーコは大丈夫なのか?』
サーコ「はい!私は画面の中にいる間は感知されませんので」
礼『そういやーそうだったな』
キーンコーンカーンコーン♪
礼『あーこれ2時限目のチャイムだー』
「ん?君は?」
突然後ろから話し掛けられる
礼『え?』
振り向くとザ・先生という感じの優しそうな男性が立っていた。
「えーとうちの学校に殴り込みか何かかな?(^_^;)」
礼『え?えーとあ、あのー』
サーコ「ゴホンッ実はこちらへ本日より2年へ編入させて頂きます私 大木 礼と申します。」
サーコはスマホから礼の声で喋り出した。
礼『...ぁ、で、です。』
「大木 礼?あー!はいはい!聞いてますよ~ いやーごめんね勘違いしちゃって(^_^;)あははは さぁ行こうか!」
-廊下-
担任「僕の名前は山内 智久-ヤマウチ トモヒサ-礼くんの担任だよ宜しくね、ところで遅かったけど道にでも迷ってたの?それとも喧嘩でもしてきた?」
礼『あ、いゃー』
サーコ「慣れない土地のせいか道に迷い大幅な遅刻をしてしまいました大変申し訳御座いません。」礼の声
礼『...せん。』
先生「あーいいよいいよ礼くんは見た目に寄らず礼儀正しい喋り方をするんだね」
礼『あざす』
先生「あ、ここだよ2年3組いや~次は僕の授業だから丁度良かったよ!」
-2年3組-
ざわざわ...
教室はざわついている。
ガラガラ
担任「はーい皆席に着いて、遅くなったけど朝言っていた転校生がやって来たぞー」
生徒「ワーー!!やったー!!」
「おー、よっしゃキター!」
「先生!女の子っすか?」
クラスはさらにざわつく
この高校ではクラスも繰り上がり式なので転校生イベントなどは盛り上がりを見せるのだ
担任「皆お待ちかねの凄く礼儀正しい真面目な...男子だ!(^^)」
男子「えーーーー!」「マジかよ~」「テンション下がるわー」
女子「ねぇ男子だって!」「礼儀正しい子?お金持ちのお坊ちゃんかもw」「楽しみー」
クラスのテンションは半々になる
すると教室の後ろの方にいるクラスを牛耳っているであろう男子グループが小声で話す。
「どんな奴が来んだろーな」「まぁ調子にぶっこいた奴だったら焼き入れねーとな!」「あはは転校初日から登校拒否になんじゃねーの?ねぇ孝二 -コウジ- さん!」
コウジ「ふん、まぁこのクラスのルールってやつだけは教えてやるよ」
「うーこえ~」
ざわざわ...
-廊下-
礼『あー緊張するぅ』ガタガタ
礼の体は震えている。
サーコ「礼様さすがにクラスの皆に見られながらでは私も...」
礼『いや!サーコお前あの気転はすげーぜ!ありがとうな!助かった!』
サーコ「礼様♡いえ私はお使いする身として当然のことをしたまでです。//」ウキウキ
ガラガラ
担任「お待たせ!じゃ礼くん入って」
礼『まぁいっちょ男ってやつを見せてやるぜ!』
サーコ(礼様♡)
-教室-
ドクンドクン ドクンドクン ドクンドクン...
心臓の鼓動が高まる
礼がぜんまい式のロボットの様に硬直したままゆっくりと入って来る
・・・
教室は静けさで広まる
担任「はい!大木 礼くんだ!(^_^)」
生徒(エエエーーー!?Σ( ̄□ ̄;))(何あれ?)(目付き悪ー!)(頭リーゼント!?)(怖そうー!)( 絶対ヤバイやつだよ~)
担任「礼くんは名前の通り礼儀正しくてとても真面目なんだ( ´∀`)ハハ」
生徒(いやいや!Σ( ̄□ ̄;)あんた何言ってんの?)( 何処に真面目要素があんだよ!)( まぁけど意外に喋ったらまともかも...)
担任「じゃ礼くん!自己紹介をお願いします。」
礼『・・・・・・』
礼は言葉が出ないままアウェイな空気感に恥ずかしくなり赤面する。
生徒(し、シカトーー!!Σ( ̄□ ̄;))(しかも顔が赤くなってる)(ありゃ切れてるな)(ヤバイよ~暴れだすんじゃね?)
と生徒は心の中で超ざわざわしている。
礼(や、や、や、やばい!なんだ?この感じは?俺ってこんなに喋れなかったけ?あれーぇ?)
そう礼は今の今まで喧嘩以外で人前に立つことなど無かった。己が今まで人に立ち向かって来たのではなく実は人から全力で逃げていた事をこの瞬間身をもって知ったのだ。
サーコ(礼様...)
礼(そっか~俺ってちっちぇーな~
...けどよ!俺も男だ!言うんだ...言うんだ...)
担任「あはは(^_^;)えーと礼くん初めてで緊張してるのかな~」
礼(言え...言え...言え!)
礼は顔を勢い良く上げて改めて生徒を見る
礼『ウエェーーーーーィ!!Σ( ̄□ ̄;)』
生徒「!?」
礼が顔を上げよくよくクラスを見渡して見ると幽霊が蠢いていたのだ
礼(なぁ?なんじゃこりゃー!?幽霊めっちゃいるーぅ!あいつにはおばあちゃんの霊が付いてるしあの子には子供の霊が取り付いてやがる、ってあそこの可愛いらしい女子に関しては何故かおっさんの霊が5体ぐらい付いてやがるぞー)
担任「ど、どうしたんだい礼くん?」
礼『あはは...気分が...』
担任「大丈夫かい?」
その時廊下を走る音が響いて来た
ガラガラ!
奈々「ハァハァ...おは...おはようございます!」
担任「ん?橘くん2年の初日から遅刻ご苦労様です。」
奈々「えっへへへ」
礼(おー!こ、この人はー!)
生徒(奈々ちゃん!)(奈々ちゃん危ない!)(その男はヤバイよ離れてー)
生徒たちは心で呼び掛ける
奈々「うん?あれー?キミはたしか昨日の」
礼『れ、礼です。』
奈々は近づいて礼を見つめる
礼『?//』
奈々(悪霊は取り付いてないか...レーダーにも反応がない警戒して離れているのか?それにしてもこの精神エネルギー...こいつ興味深いわ)
サーコ(ん?)
その時サーコは奈々の存在に気づく
奈々「あーそうそう!礼くんだ!わー嬉しいな~まさか同じクラスだなんて!宜しくね!私のことは奈々って呼んで!」
礼『お、おぅ!//』
生徒(なぬーーー!?)(クラスで一番可愛いあの奈々ちゃんと!?)(まさかの知り合いだとー!)
全員(何なんだ!この男!!!)
コウジ「・・・」
-外-
サナがふわふわと学校の周りを飛んでいる
サナ「ん~やっぱりさっきのは気のせいだったのかしら」
と2年3組の窓越しに礼の姿が見える
サナ「あ!礼!...!?」
奈々「?」
奈々は一瞬窓の外を見る
サナは咄嗟に離れ自分の存在を消した。
サナ「あの女は隣に住んでる霊媒師」
サナの体が点滅し始める
サナ「いけない!早くここから離れなきゃ!」
サナは屋上へと避難する。
本来霊は寝ている睡眠時のみ この存在を消す能力が発動しているのだが意識がある状態では少しの間でしか消えていられないのだ
サナ「ふぅ...授業中は礼に近づけないわね」
すると突然背後から声がする
「へー悪霊のくせに随分とあの人間に入れ込んでんだね」
サナ「!」
サナは振り返り咄嗟に身構える
目の前には靄がかかった様な霊体の男が立っていた。
サナ(何?この子?おかしいわ霊体なのに幽霊じゃない)
サナ「あなた何者?」
「・・・」
サナ「さっきの視線もあなたね、答えなさい!」
サナは周りにあるバケツや少し錆び付いたハサミあと生徒が捨てたであろうゴミなどを浮かす。
「へーそれがキミの能力か、、ふふふふ...」
と言いながら彼はふわっと姿を消した。
サナ「ちょっ...待っ...」
キーンコーンカーンコーン♪
学校のチャイムが鳴り響く
サナ「なんだったの?」
サナは空を見上げる
サナ「...入れ込んでる...か」
屋上の微風がサナの髪を靡かせる
-体育館倉庫裏-
二時限目の放課も終わる頃
礼は1人体育館倉庫の裏で膝を抱えうずくまっていた。
礼「ぅ"~...」
サーコ「礼様元気出して下さい」
礼『あんがとよ、けどこりゃきっと因果応報ってやつだ』
それは今から30分前のお話し
-2年3組- 30分前
担任「じゃ!礼くんはそこの真ん中の席に座って!先生礼くんが早くクラスに馴染めるよう特別に用意した席なんだ!( ´∀`)」
生徒(ど、ど真ん中!?)
礼が真ん中の席へと恥ずかしそうに座る
すると礼の背筋が一瞬凍る
礼(な、なんだ?この視線は?クラスの全員間違えなく俺を見ている、てか幽霊もこっちガン見してんですけどー)
担任「よーし遅くなったが授業始めるぞー」
と担任が前の黒板へ向いた瞬間
急に生徒全員自身の机の前から死角になる所で何か手を動かしている
礼(な、なんだ?突然?)
生徒皆はスマホトークアプリのグループでチャットをやり始めた。
生徒グループチャット
(それにしても怖いよな~)
(誰か話しかけてみろよ)
(死ぬ気か!)
(実はさぁ私どっかで名前聞いたことある気がするんだよね一年前くらいだったかな~)
(有名人とかなら大木 礼でググればいんじゃね?)
生徒は大木 礼でネットへ検索をかける
(え?)
(うそ!)
(愛知県豊川高等学校集団暴力事件!?)
(こんな事件あったか?)
(ほら小さいけどニュースにもなったじゃない)
(その主犯が?)
(大木 礼だってのか?)
(うわさようわさ!)
(読むと理由不十分で高校一年生になったばかりの子供が行える様なレベルの案件では無いため厳重注意で終わったらしい)
(いやでも)
(この雰囲気を見る限りやっていてもおかしくない)
コウジは顔を上げ後ろの席から礼の姿を見る
コウジ(...こいつは随分と危険な奴が転校してきたな、さて力の弱い者には力で屈服させ力の強い者には知恵と知識でねじ伏せる、大木 礼お前が力を使い歯向かって来るのは正直厄介だ、だからそうさせないよう先手を打たせてもらうよ)
コウジは隣の男子生徒のスマホにトークを送る
するとその男子生徒が突然立ち上がり急に喋り出した。
男子「え!愛知県豊川高等学校集団暴力事件?」
礼『!?』ドックン!!!
礼は机に顔をうつ向け目を見開く
サーコ(ん?礼様の精神が膨張している?)
礼のポケットにいるサーコは精神の不安定な状態だけを感じ取る
サーコ(礼様...)
礼の周りの幽霊も礼から距離を置き離れる
クラスがまたざわつき始める
担任「どうしたんだ?突然」
男子「すいませーんw」
担任「皆も喋るな~授業が進まないぞ~」
その時女子の中でも素行が悪くリーダー的存在の柏木 杏-カシワギ アンズ-が一言意見する
杏「先生~進める必要ないですよ~時計、時計」
担任「え?」
キーンコーンカーンコーン♪
担任「おーそういうことか、たく変な所だけしっかりしてんだから」
担任は教材をまとめる
担任「ふぅ今日は授業進まなかったけど次回はしっかりやるからな、まぁ皆礼くんとは仲良くやりなさい、じゃ礼くんこれからも宜しくね(^_^)」
ガラガラ!ガタン!!
引き戸が閉まり担任が去ったあと数秒間の沈黙がクラスを包む
礼はその沈黙に絶えきれず立ち上がろうとする
ガー!!
女子「ひぃ!」
礼が椅子を引くと同時に隣の眼鏡をかけた女子が怯える
礼『え?...ぁ...ぁの...』
礼が女子の方へ振り向く
女子「わ!ぁ、あの暴力は...ゃ..やめ...」
礼「えぇ?」
女子「きゃ!!ごめんなさい!!」
クラスにまた沈黙が走る
そしてここぞとばかりについにコウジが動き出す。
コウジ「ごめんね!大木 礼くん」
とコウジは立ち上がり礼へと近づいて行く
コウジ「実は皆礼くんと仲良くなりたくてさ何気にネットで調べてみたんだ、そしたら大木 礼でその暴力事件がヒットしちゃってさー」
とコウジは礼の反応を伺う
コウジ(ん?この表情、やはり完全に事件には関わっている ならば)
コウジ「皆たかがネットの情報一つで礼くんに怯えちゃってさ~所詮ネットなんて信用ならないってのによ!けど俺は礼くんの事を信じたいんだ!同じクラスの仲間だもの!」
とコウジは礼に手を差し出す。
コウジ「俺の名前は風見 孝二-カザミ コウジ-宜しく!」
礼「ぁ、ああ!大木 礼だ!よ、宜しく!」
握手
コウジ「さっそくだけど皆に詳しく説明してくれないかな?」
礼「え?」
コウジ「事件の真相さ!まさか礼くんがあんな非道な真似するわけないって俺たちは信じたいんだ」
礼『ぉ..俺は...その....ヴッ!』
礼が頭を抑え立ち竦む
礼『な、なんだ?』
コウジ「礼くん大丈夫かい?」
礼『ああ』
その時コウジが後ろを振り向き皆に合図を送る
生徒「やっぱりあの事件を起こしたのって」「バカ聞こえるぞ」「私怖ーい」「仲良くなるって無理があるぜ」ざわざわ...
礼『ち..ちが..ゃ、やめてくれ...』
コウジ(やはりそうだ、こいつ人に怯えて生きて来たんだ敵を倒すことに関しては苦なく行えるが俺たちは信じたいと言った仲間という定だからどうしていいのか分からないんだ、せっかく向こうから初めて仲間だと言ってくれたのに自分が嘘を付かなくてはならない現状に不甲斐なさを感じている様だな、そしてこの一言でお前はもう終わりだ)
コウジ「ゼロ...くん」
ザーザー!!
礼は咄嗟にコウジの胸ぐらを掴みかかる
礼『どうしてその俺の名を!』
女子「キャーーー!」
男子「どうしたんだよ突然」
礼はふと我に返り周りを見渡す。
そこのは危ない猛獣を見るような皆の目があった。
コウジ「どうしたんだい?礼くん?...離してくれないかい?」
礼は手を離し後退りする
コウジ「噂でね礼くんの地元にはいるんだろ?ゼロっていう...って、えー?今俺の名をって言ったのかい?」
生徒「マジかよ?」「てことはこいつがゼロ?」「聞いたことあるぞ伝説のヤンキーだろ?」
杏「皆!下がって下手に刺激を与えてはダメよ!」
礼「ぁ、ぃゃ...」
コウジ「礼くん!クラスの皆には手を出さないでくれ!やるなら俺だけにしてくれないか?」
礼(俺は...)
礼はその場から後退りしていく
礼(俺は俺は俺は...友達が欲しかっただけなんだ)
礼『うわーーーー!!!』
礼は学校中に響く大きな声をあげ教室から走り去って行く
ガラガラーー!!!
コウジ「ふふふ...皆ありがとな!あいつが力でこのクラスを牛耳ったらそれこそ生きた心地がしないだろ?これでまた平穏な学生生活が戻って来たぜ」
男子「けどコウジさんあいつ本当にあのゼロなんすか?」
コウジ「あー間違えない伝説のヤンキーゼロだよ俺の兄貴も巻き込まれて あいつにやられた」
生徒「え?」「コウジさんのお兄さんが?」
コウジ「だから兄貴の見た顔や特徴 から割り出し俺は調べたんだ、そしたら昨日千葉の柏市に引っ越して来た奴がたまたま一致してね、その上にそいつが伝説のヤンキーゼロいう情報も手に入れた。まぁあの風貌だ、たどり着くのに時間は掛からなかったよ、まさかそいつがこの学校へ転校してくるなんて正直俺も予想外だったけどな!」
生徒「なるほど」「さすがコウジさん」
コウジ「まぁこれでまた皆で平和に楽しくやって行こーぜ!」
生徒「いえーい」「平和だ~」
クラスがざわつく
杏「あんたも自分の地位がそんなに大事かね~」
コウジ「ふん、まーな」
奈々(ふふふ、まぁやり方は気に入らないけど彼を一人にしてくれたのは好都合だわ)
-廊下-
礼『アーーーーーー!!!!』
ダダダダーーー!!!
廊下を泣きながら猛ダッシュで駆けて行く礼の姿がそこにはある
《そうこの世は人も幽霊も共に暮らす優しい優しい現実世界》
外にいたサナが気づく
サナ「え?礼!?」
《そんな幽霊が見える様になった大木 礼、今!彼を中心に全てが動き出そうとしていた。》
礼『うわーーーーーー!!』
ダダダダーーー!!!
礼が目の前を通り過ぎて行く
女子「うわわわ~」
女子はくるくる回る
幽霊「おーい大丈夫か?ん!?アイツ!!」
女子「どうしたの?お姉ちゃん?」
幽霊「ようやく、ようやく...見つけたぜ!ゼロ!!」
《そして彼らの命を狙う黒い影...》
-高見荘-101号室
シンはカップ麺を食べている
シン「ズズー...」
ピンポーン♪
シン「ん?」
-外-
コナンの黒い人みたいな影の人が微笑みを浮かべ不気味に立っている
ピンポーン♪...ピンポーン♪
シン「あーはいはい」
シンはドアノブへ手をかける
シン(!?この気配...まさか!)
シンはポケットへ手入れ恐る恐るドアを開ける。
ガチャ!!キュイーン...
《1話終了》
-通学路-
全速力で走る礼
礼『うおーーー!!』
サーコ「学校まであと48メートルです。す、凄いです礼様!現在時速24.6kmを記録致しました。」
サナ「あんた人間やめれるわよ」
礼『やめてたまるかー』
ザザーー!!
学校の門の前までたどり着く
礼『うっしゃ!間に合ったー!』
キーンコーンカーンコーン♪
サナ「いゃあんたこれ一時限終わったチャイムよ」
礼『間に合ってねーー!』
礼は頭を抱える
礼『あーれ?おかしい何故だ!何故に一時間も掛かってんだ?あの高見荘からだと20分で着くはずなのに』
サーコ「礼様それはこちらの交通経路を利用された場合です。」
とサーコは地図と路線図をスマホ画面に見やすく提示する
そこに記載されていたのは柏から松戸へ電車を使って行く経路だ
礼『電車...だと!?』
サナ「ちょっと!サーコ!電車使うなら最初から言いなさいよ!」
サーコ「す、すいませーん//」
サナはサーコへ説教をする
その様子を三階にある三年生の教室から窓越しに見つめる一つの影が現れる
「ほう、あの子例のアパートの住人か悪霊まで支援しているとは、それにしてもあの魂のオーラはなんだ?あれじゃ容易に僕が近づけないじゃないか」
サナ「?」
その時サナが気配に気づく
礼「どうしたサナ?」
サナ(何?今の?人でも霊でもない変な殺気は)
サナ「礼私ちょっと姿を消すわ」
と礼から離れて行く
礼『え?』
サナ「だってもしも他の霊媒師に見つかった時困るでしょーあんたの近くにいると姿を消せないから旦離れるわー」
とサナは姿を消す
礼『 あーなるほどサーコは大丈夫なのか?』
サーコ「はい!私は画面の中にいる間は感知されませんので」
礼『そういやーそうだったな』
キーンコーンカーンコーン♪
礼『あーこれ2時限目のチャイムだー』
「ん?君は?」
突然後ろから話し掛けられる
礼『え?』
振り向くとザ・先生という感じの優しそうな男性が立っていた。
「えーとうちの学校に殴り込みか何かかな?(^_^;)」
礼『え?えーとあ、あのー』
サーコ「ゴホンッ実はこちらへ本日より2年へ編入させて頂きます私 大木 礼と申します。」
サーコはスマホから礼の声で喋り出した。
礼『...ぁ、で、です。』
「大木 礼?あー!はいはい!聞いてますよ~ いやーごめんね勘違いしちゃって(^_^;)あははは さぁ行こうか!」
-廊下-
担任「僕の名前は山内 智久-ヤマウチ トモヒサ-礼くんの担任だよ宜しくね、ところで遅かったけど道にでも迷ってたの?それとも喧嘩でもしてきた?」
礼『あ、いゃー』
サーコ「慣れない土地のせいか道に迷い大幅な遅刻をしてしまいました大変申し訳御座いません。」礼の声
礼『...せん。』
先生「あーいいよいいよ礼くんは見た目に寄らず礼儀正しい喋り方をするんだね」
礼『あざす』
先生「あ、ここだよ2年3組いや~次は僕の授業だから丁度良かったよ!」
-2年3組-
ざわざわ...
教室はざわついている。
ガラガラ
担任「はーい皆席に着いて、遅くなったけど朝言っていた転校生がやって来たぞー」
生徒「ワーー!!やったー!!」
「おー、よっしゃキター!」
「先生!女の子っすか?」
クラスはさらにざわつく
この高校ではクラスも繰り上がり式なので転校生イベントなどは盛り上がりを見せるのだ
担任「皆お待ちかねの凄く礼儀正しい真面目な...男子だ!(^^)」
男子「えーーーー!」「マジかよ~」「テンション下がるわー」
女子「ねぇ男子だって!」「礼儀正しい子?お金持ちのお坊ちゃんかもw」「楽しみー」
クラスのテンションは半々になる
すると教室の後ろの方にいるクラスを牛耳っているであろう男子グループが小声で話す。
「どんな奴が来んだろーな」「まぁ調子にぶっこいた奴だったら焼き入れねーとな!」「あはは転校初日から登校拒否になんじゃねーの?ねぇ孝二 -コウジ- さん!」
コウジ「ふん、まぁこのクラスのルールってやつだけは教えてやるよ」
「うーこえ~」
ざわざわ...
-廊下-
礼『あー緊張するぅ』ガタガタ
礼の体は震えている。
サーコ「礼様さすがにクラスの皆に見られながらでは私も...」
礼『いや!サーコお前あの気転はすげーぜ!ありがとうな!助かった!』
サーコ「礼様♡いえ私はお使いする身として当然のことをしたまでです。//」ウキウキ
ガラガラ
担任「お待たせ!じゃ礼くん入って」
礼『まぁいっちょ男ってやつを見せてやるぜ!』
サーコ(礼様♡)
-教室-
ドクンドクン ドクンドクン ドクンドクン...
心臓の鼓動が高まる
礼がぜんまい式のロボットの様に硬直したままゆっくりと入って来る
・・・
教室は静けさで広まる
担任「はい!大木 礼くんだ!(^_^)」
生徒(エエエーーー!?Σ( ̄□ ̄;))(何あれ?)(目付き悪ー!)(頭リーゼント!?)(怖そうー!)( 絶対ヤバイやつだよ~)
担任「礼くんは名前の通り礼儀正しくてとても真面目なんだ( ´∀`)ハハ」
生徒(いやいや!Σ( ̄□ ̄;)あんた何言ってんの?)( 何処に真面目要素があんだよ!)( まぁけど意外に喋ったらまともかも...)
担任「じゃ礼くん!自己紹介をお願いします。」
礼『・・・・・・』
礼は言葉が出ないままアウェイな空気感に恥ずかしくなり赤面する。
生徒(し、シカトーー!!Σ( ̄□ ̄;))(しかも顔が赤くなってる)(ありゃ切れてるな)(ヤバイよ~暴れだすんじゃね?)
と生徒は心の中で超ざわざわしている。
礼(や、や、や、やばい!なんだ?この感じは?俺ってこんなに喋れなかったけ?あれーぇ?)
そう礼は今の今まで喧嘩以外で人前に立つことなど無かった。己が今まで人に立ち向かって来たのではなく実は人から全力で逃げていた事をこの瞬間身をもって知ったのだ。
サーコ(礼様...)
礼(そっか~俺ってちっちぇーな~
...けどよ!俺も男だ!言うんだ...言うんだ...)
担任「あはは(^_^;)えーと礼くん初めてで緊張してるのかな~」
礼(言え...言え...言え!)
礼は顔を勢い良く上げて改めて生徒を見る
礼『ウエェーーーーーィ!!Σ( ̄□ ̄;)』
生徒「!?」
礼が顔を上げよくよくクラスを見渡して見ると幽霊が蠢いていたのだ
礼(なぁ?なんじゃこりゃー!?幽霊めっちゃいるーぅ!あいつにはおばあちゃんの霊が付いてるしあの子には子供の霊が取り付いてやがる、ってあそこの可愛いらしい女子に関しては何故かおっさんの霊が5体ぐらい付いてやがるぞー)
担任「ど、どうしたんだい礼くん?」
礼『あはは...気分が...』
担任「大丈夫かい?」
その時廊下を走る音が響いて来た
ガラガラ!
奈々「ハァハァ...おは...おはようございます!」
担任「ん?橘くん2年の初日から遅刻ご苦労様です。」
奈々「えっへへへ」
礼(おー!こ、この人はー!)
生徒(奈々ちゃん!)(奈々ちゃん危ない!)(その男はヤバイよ離れてー)
生徒たちは心で呼び掛ける
奈々「うん?あれー?キミはたしか昨日の」
礼『れ、礼です。』
奈々は近づいて礼を見つめる
礼『?//』
奈々(悪霊は取り付いてないか...レーダーにも反応がない警戒して離れているのか?それにしてもこの精神エネルギー...こいつ興味深いわ)
サーコ(ん?)
その時サーコは奈々の存在に気づく
奈々「あーそうそう!礼くんだ!わー嬉しいな~まさか同じクラスだなんて!宜しくね!私のことは奈々って呼んで!」
礼『お、おぅ!//』
生徒(なぬーーー!?)(クラスで一番可愛いあの奈々ちゃんと!?)(まさかの知り合いだとー!)
全員(何なんだ!この男!!!)
コウジ「・・・」
-外-
サナがふわふわと学校の周りを飛んでいる
サナ「ん~やっぱりさっきのは気のせいだったのかしら」
と2年3組の窓越しに礼の姿が見える
サナ「あ!礼!...!?」
奈々「?」
奈々は一瞬窓の外を見る
サナは咄嗟に離れ自分の存在を消した。
サナ「あの女は隣に住んでる霊媒師」
サナの体が点滅し始める
サナ「いけない!早くここから離れなきゃ!」
サナは屋上へと避難する。
本来霊は寝ている睡眠時のみ この存在を消す能力が発動しているのだが意識がある状態では少しの間でしか消えていられないのだ
サナ「ふぅ...授業中は礼に近づけないわね」
すると突然背後から声がする
「へー悪霊のくせに随分とあの人間に入れ込んでんだね」
サナ「!」
サナは振り返り咄嗟に身構える
目の前には靄がかかった様な霊体の男が立っていた。
サナ(何?この子?おかしいわ霊体なのに幽霊じゃない)
サナ「あなた何者?」
「・・・」
サナ「さっきの視線もあなたね、答えなさい!」
サナは周りにあるバケツや少し錆び付いたハサミあと生徒が捨てたであろうゴミなどを浮かす。
「へーそれがキミの能力か、、ふふふふ...」
と言いながら彼はふわっと姿を消した。
サナ「ちょっ...待っ...」
キーンコーンカーンコーン♪
学校のチャイムが鳴り響く
サナ「なんだったの?」
サナは空を見上げる
サナ「...入れ込んでる...か」
屋上の微風がサナの髪を靡かせる
-体育館倉庫裏-
二時限目の放課も終わる頃
礼は1人体育館倉庫の裏で膝を抱えうずくまっていた。
礼「ぅ"~...」
サーコ「礼様元気出して下さい」
礼『あんがとよ、けどこりゃきっと因果応報ってやつだ』
それは今から30分前のお話し
-2年3組- 30分前
担任「じゃ!礼くんはそこの真ん中の席に座って!先生礼くんが早くクラスに馴染めるよう特別に用意した席なんだ!( ´∀`)」
生徒(ど、ど真ん中!?)
礼が真ん中の席へと恥ずかしそうに座る
すると礼の背筋が一瞬凍る
礼(な、なんだ?この視線は?クラスの全員間違えなく俺を見ている、てか幽霊もこっちガン見してんですけどー)
担任「よーし遅くなったが授業始めるぞー」
と担任が前の黒板へ向いた瞬間
急に生徒全員自身の机の前から死角になる所で何か手を動かしている
礼(な、なんだ?突然?)
生徒皆はスマホトークアプリのグループでチャットをやり始めた。
生徒グループチャット
(それにしても怖いよな~)
(誰か話しかけてみろよ)
(死ぬ気か!)
(実はさぁ私どっかで名前聞いたことある気がするんだよね一年前くらいだったかな~)
(有名人とかなら大木 礼でググればいんじゃね?)
生徒は大木 礼でネットへ検索をかける
(え?)
(うそ!)
(愛知県豊川高等学校集団暴力事件!?)
(こんな事件あったか?)
(ほら小さいけどニュースにもなったじゃない)
(その主犯が?)
(大木 礼だってのか?)
(うわさようわさ!)
(読むと理由不十分で高校一年生になったばかりの子供が行える様なレベルの案件では無いため厳重注意で終わったらしい)
(いやでも)
(この雰囲気を見る限りやっていてもおかしくない)
コウジは顔を上げ後ろの席から礼の姿を見る
コウジ(...こいつは随分と危険な奴が転校してきたな、さて力の弱い者には力で屈服させ力の強い者には知恵と知識でねじ伏せる、大木 礼お前が力を使い歯向かって来るのは正直厄介だ、だからそうさせないよう先手を打たせてもらうよ)
コウジは隣の男子生徒のスマホにトークを送る
するとその男子生徒が突然立ち上がり急に喋り出した。
男子「え!愛知県豊川高等学校集団暴力事件?」
礼『!?』ドックン!!!
礼は机に顔をうつ向け目を見開く
サーコ(ん?礼様の精神が膨張している?)
礼のポケットにいるサーコは精神の不安定な状態だけを感じ取る
サーコ(礼様...)
礼の周りの幽霊も礼から距離を置き離れる
クラスがまたざわつき始める
担任「どうしたんだ?突然」
男子「すいませーんw」
担任「皆も喋るな~授業が進まないぞ~」
その時女子の中でも素行が悪くリーダー的存在の柏木 杏-カシワギ アンズ-が一言意見する
杏「先生~進める必要ないですよ~時計、時計」
担任「え?」
キーンコーンカーンコーン♪
担任「おーそういうことか、たく変な所だけしっかりしてんだから」
担任は教材をまとめる
担任「ふぅ今日は授業進まなかったけど次回はしっかりやるからな、まぁ皆礼くんとは仲良くやりなさい、じゃ礼くんこれからも宜しくね(^_^)」
ガラガラ!ガタン!!
引き戸が閉まり担任が去ったあと数秒間の沈黙がクラスを包む
礼はその沈黙に絶えきれず立ち上がろうとする
ガー!!
女子「ひぃ!」
礼が椅子を引くと同時に隣の眼鏡をかけた女子が怯える
礼『え?...ぁ...ぁの...』
礼が女子の方へ振り向く
女子「わ!ぁ、あの暴力は...ゃ..やめ...」
礼「えぇ?」
女子「きゃ!!ごめんなさい!!」
クラスにまた沈黙が走る
そしてここぞとばかりについにコウジが動き出す。
コウジ「ごめんね!大木 礼くん」
とコウジは立ち上がり礼へと近づいて行く
コウジ「実は皆礼くんと仲良くなりたくてさ何気にネットで調べてみたんだ、そしたら大木 礼でその暴力事件がヒットしちゃってさー」
とコウジは礼の反応を伺う
コウジ(ん?この表情、やはり完全に事件には関わっている ならば)
コウジ「皆たかがネットの情報一つで礼くんに怯えちゃってさ~所詮ネットなんて信用ならないってのによ!けど俺は礼くんの事を信じたいんだ!同じクラスの仲間だもの!」
とコウジは礼に手を差し出す。
コウジ「俺の名前は風見 孝二-カザミ コウジ-宜しく!」
礼「ぁ、ああ!大木 礼だ!よ、宜しく!」
握手
コウジ「さっそくだけど皆に詳しく説明してくれないかな?」
礼「え?」
コウジ「事件の真相さ!まさか礼くんがあんな非道な真似するわけないって俺たちは信じたいんだ」
礼『ぉ..俺は...その....ヴッ!』
礼が頭を抑え立ち竦む
礼『な、なんだ?』
コウジ「礼くん大丈夫かい?」
礼『ああ』
その時コウジが後ろを振り向き皆に合図を送る
生徒「やっぱりあの事件を起こしたのって」「バカ聞こえるぞ」「私怖ーい」「仲良くなるって無理があるぜ」ざわざわ...
礼『ち..ちが..ゃ、やめてくれ...』
コウジ(やはりそうだ、こいつ人に怯えて生きて来たんだ敵を倒すことに関しては苦なく行えるが俺たちは信じたいと言った仲間という定だからどうしていいのか分からないんだ、せっかく向こうから初めて仲間だと言ってくれたのに自分が嘘を付かなくてはならない現状に不甲斐なさを感じている様だな、そしてこの一言でお前はもう終わりだ)
コウジ「ゼロ...くん」
ザーザー!!
礼は咄嗟にコウジの胸ぐらを掴みかかる
礼『どうしてその俺の名を!』
女子「キャーーー!」
男子「どうしたんだよ突然」
礼はふと我に返り周りを見渡す。
そこのは危ない猛獣を見るような皆の目があった。
コウジ「どうしたんだい?礼くん?...離してくれないかい?」
礼は手を離し後退りする
コウジ「噂でね礼くんの地元にはいるんだろ?ゼロっていう...って、えー?今俺の名をって言ったのかい?」
生徒「マジかよ?」「てことはこいつがゼロ?」「聞いたことあるぞ伝説のヤンキーだろ?」
杏「皆!下がって下手に刺激を与えてはダメよ!」
礼「ぁ、ぃゃ...」
コウジ「礼くん!クラスの皆には手を出さないでくれ!やるなら俺だけにしてくれないか?」
礼(俺は...)
礼はその場から後退りしていく
礼(俺は俺は俺は...友達が欲しかっただけなんだ)
礼『うわーーーー!!!』
礼は学校中に響く大きな声をあげ教室から走り去って行く
ガラガラーー!!!
コウジ「ふふふ...皆ありがとな!あいつが力でこのクラスを牛耳ったらそれこそ生きた心地がしないだろ?これでまた平穏な学生生活が戻って来たぜ」
男子「けどコウジさんあいつ本当にあのゼロなんすか?」
コウジ「あー間違えない伝説のヤンキーゼロだよ俺の兄貴も巻き込まれて あいつにやられた」
生徒「え?」「コウジさんのお兄さんが?」
コウジ「だから兄貴の見た顔や特徴 から割り出し俺は調べたんだ、そしたら昨日千葉の柏市に引っ越して来た奴がたまたま一致してね、その上にそいつが伝説のヤンキーゼロいう情報も手に入れた。まぁあの風貌だ、たどり着くのに時間は掛からなかったよ、まさかそいつがこの学校へ転校してくるなんて正直俺も予想外だったけどな!」
生徒「なるほど」「さすがコウジさん」
コウジ「まぁこれでまた皆で平和に楽しくやって行こーぜ!」
生徒「いえーい」「平和だ~」
クラスがざわつく
杏「あんたも自分の地位がそんなに大事かね~」
コウジ「ふん、まーな」
奈々(ふふふ、まぁやり方は気に入らないけど彼を一人にしてくれたのは好都合だわ)
-廊下-
礼『アーーーーーー!!!!』
ダダダダーーー!!!
廊下を泣きながら猛ダッシュで駆けて行く礼の姿がそこにはある
《そうこの世は人も幽霊も共に暮らす優しい優しい現実世界》
外にいたサナが気づく
サナ「え?礼!?」
《そんな幽霊が見える様になった大木 礼、今!彼を中心に全てが動き出そうとしていた。》
礼『うわーーーーーー!!』
ダダダダーーー!!!
礼が目の前を通り過ぎて行く
女子「うわわわ~」
女子はくるくる回る
幽霊「おーい大丈夫か?ん!?アイツ!!」
女子「どうしたの?お姉ちゃん?」
幽霊「ようやく、ようやく...見つけたぜ!ゼロ!!」
《そして彼らの命を狙う黒い影...》
-高見荘-101号室
シンはカップ麺を食べている
シン「ズズー...」
ピンポーン♪
シン「ん?」
-外-
コナンの黒い人みたいな影の人が微笑みを浮かべ不気味に立っている
ピンポーン♪...ピンポーン♪
シン「あーはいはい」
シンはドアノブへ手をかける
シン(!?この気配...まさか!)
シンはポケットへ手入れ恐る恐るドアを開ける。
ガチャ!!キュイーン...
《1話終了》