東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
飛鳥は血の気が引いた。
遥も同様だった。

摂津との戦いでの、伽藍学園での光景がフラッシュバックする。
飛鳥は無良と。
遥は大鉄と。
苦戦したのを思い出す。
それが数十人いると考えると、どうなるのかが想像できた。
即ち、死。
突破出来る自信が無かった。
飛鳥は動かそうとしていた足を止めた。


「何をした?」
遥である。
状況が変わった。
6本の腕は長さを戻し、胸の顎は伊號丸を放した。摂津は笑った。
「鬼児(おにご)を使えば造作もない事だ」
と答えた。
鬼児・摂津の使う能力で小さな角の生えた赤ん坊の事である。
大鉄と無良にも鬼児が埋めてあったが、それが何故?
「大鉄と無良、君達との戦いのデータをダウンロードして新しい鬼児にアップロード、それを手頃な輩に埋めてやったのさ」
なんと簡単で単純な。
よく見れば、容姿も体型も大鉄と無良には似ても似つかない。その雰囲気だけが
彼らだった。

遥も、此処から出るのは無理だなと考えた。鬼児を使っている、なら摂津秋房を斃すせばいい。
遥の顔が変わった。

何も状況が把握出来なかったのは、柊一と真琴である。無理も無い。
そこへ遥が声を掛けた。




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