東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
正位置。
そう言うのか。
空気の流れ、磁場の動きを感じる。

御業の結界は正常に起動した。
誰もが、そう感じた。

それぞれ。
遥と伊號丸はその力の奔流を共有した。
飛鳥、柊一、真琴も同様に。

摂津は、襲い来る脱力感にひざまづきそうになるのを、必死に堪えた。
大鉄と無良は、意思を無くした様に立ち尽くした。

傀儡師・暁は腕を下ろした。
霧華は、文字通り糸を切られたかの様に全身力を無くして、倒れた。
寸前、暁がその身体を支えた。

それを見ていた遥が、
「姉さんに触るなっ!」と。
「任務完了なので、これで」
と、暁が敬礼して霧華を肩に乗せた。
「先に東京戻ってますから」
と告げて、踵を返した。
「霧華は預かります。安心してください
」捨て台詞を残して。
遥は見つめるしかなかった。


御業の結界が起動した今、好機が訪れていた。








< 23 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop