東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
話を聞いていて、時間の流れを感じた。
忘却の彼方へ流されていたものが、足許に鎮座する石造りの結界と重なり合い、畏怖の念を感じた。
これから成すべき事、過去との決別。
全てを賭けて臨むべし。
摂津秋房は語る。
「そして、此処へ来た!この地にて敗れたのだ!あの悔しさは忘れ得ぬ。それ故此処で、あの一族の子孫と決着をつける事が私の本望だった!」
顔には悔しさが浮かぶ。
「不利な事は承知の上、それでも完膚なきまでに叩き潰す!!それが望みだ!」
顔から表情が消えた。
「王道家の…」
あの男は不思議だった。
昔話は再開する。
感謝感謝!豪快に笑って頭を下げると、屈託のない顔でこの地へ誘導したのだ。
おかげで他の者は、死線を越えた、と。
待ってくれてありがとう、とも。
そして、この石を跨いだ。
瞬間!
膝が着きそうになる虚脱感に、襲われてなんとか踏み止まった。
彼奴を見ると、拝みながら悔いた。
「済まぬ。人間にはこうする事しかないのじゃ。限界じゃよ、限界。済まぬのう、鬼の王よ」
涙すら流して。
近づいて来ると、錫杖を高々と上げると私の右脚を刺した。
次に左脚、そしてひざまづいた。
次に右肩、次に左肩。
不思議な事に、漣左の攻撃は痛みが無かった。そういう術式を使ったのだろうが
私の体は、痛みなく破壊された。
次に胸を貫かれた後、こう言われた。
「此処で朽ちるのも一興。鬼に言う言葉では無いが、人間万事塞翁が馬じゃ」
最後のひと突きで、頭を刺された。
摂津秋房が真顔でこちらを見ていた。
真紅の眼で。
忘却の彼方へ流されていたものが、足許に鎮座する石造りの結界と重なり合い、畏怖の念を感じた。
これから成すべき事、過去との決別。
全てを賭けて臨むべし。
摂津秋房は語る。
「そして、此処へ来た!この地にて敗れたのだ!あの悔しさは忘れ得ぬ。それ故此処で、あの一族の子孫と決着をつける事が私の本望だった!」
顔には悔しさが浮かぶ。
「不利な事は承知の上、それでも完膚なきまでに叩き潰す!!それが望みだ!」
顔から表情が消えた。
「王道家の…」
あの男は不思議だった。
昔話は再開する。
感謝感謝!豪快に笑って頭を下げると、屈託のない顔でこの地へ誘導したのだ。
おかげで他の者は、死線を越えた、と。
待ってくれてありがとう、とも。
そして、この石を跨いだ。
瞬間!
膝が着きそうになる虚脱感に、襲われてなんとか踏み止まった。
彼奴を見ると、拝みながら悔いた。
「済まぬ。人間にはこうする事しかないのじゃ。限界じゃよ、限界。済まぬのう、鬼の王よ」
涙すら流して。
近づいて来ると、錫杖を高々と上げると私の右脚を刺した。
次に左脚、そしてひざまづいた。
次に右肩、次に左肩。
不思議な事に、漣左の攻撃は痛みが無かった。そういう術式を使ったのだろうが
私の体は、痛みなく破壊された。
次に胸を貫かれた後、こう言われた。
「此処で朽ちるのも一興。鬼に言う言葉では無いが、人間万事塞翁が馬じゃ」
最後のひと突きで、頭を刺された。
摂津秋房が真顔でこちらを見ていた。
真紅の眼で。