東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
遥。
「何故、お前は生きている⁉︎」
柊一。
「結界の石!何故、動かされていた⁉︎」
ほぼ同時に投げかける。

摂津は頭を傾げる。
「石か。私は触れぬのでな。何故かは判らぬ。生きている……」
間が空いて。
「此処に残されたのだ、私は。
……………この強力な磁場の中に。小さな破片となり、力尽きそうなったのを救ったのは、九月だ」
九月。
その名前、先かた語られたその言葉に遥は思い当たった。
あの顎の鬼、セプテンバーと名乗っていた鬼。奈良から逃げて来たあいつが、ここから助け出した!

「この地に入るのは、魑魅魍魎からすれば覚悟のほどよ。なんとか、私が散り散りになる前に出る事が出来た」

摂津とセプテンバーにそんな絆があったとは。絶対の信頼を以ってセプテンバーを遥に向けた。それを退けたのだが。セプテンバーに斬られた太腿が痛んだ。

「昔話は終わりだ」
摂津秋房は告げた。
「私と九月は東京へ戻り、復活を遂げたのだ。この結界をも越えて貴様らには勝つ!!決着をつけようか!」

遥は念じる。
【血風吹きあれん。頼む、伊號丸】
【おうさ】








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