東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】








なんてことだ。
それを調べて、突き止めているこの組織も凄すぎるし、なんといってもそんな偶然が起こり得るものなのか。
男は低い静かな声で、
「ここからは憶測ですが、それは仕組まれた事故だったのではないか?という事です。カモフラージュです。そちらに意識を向けて置いて、本来の目的は“書“の方だった。どうです?」
と言った。

まさか。
そんな事考えもしなかった。そんな裏があったなんて。
でも考えたらそれは、鬼児を取り憑かせた摂津秋房の仕業という事か?何の為?
禁断の書?それを利用して何を企んでたのか?
疑問の渦がまた頭を巻き付ける。

「私は伽藍学園へ向かいます。王道さんはどうなさいますか?」
姉の行く先も分からない。
ここは一緒に行こう。
「僕も一緒に行きます」
二人は遥のマンションを後にした。

歩きながら失礼します、と前置きして男無敵丸剛太が話を始めた。
「この一件で、我々の母体である“書院”も動きます。それだけ一大事だと言う事を知っておいていただきたい」
「あの、書院って何ですか?」
遥が訊くと、
「え?“書院”をご存知ないのですか?おかしいですね…。確かお会いしているはずだったと…。勘違いでしたか」
と、言葉が尻つぼみになったので、それ以上追及はしなかった。







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