一週間だけのラブストーリー
最初に寄ったのは近くのスーパー。
龍寺は鼻歌を歌いながらかごを持って食品売り場の方へ行った。
私は置いていかれないようにと一生懸命龍寺についていった。


「さき~。今日夜何食べたい?」

「パスタ…。」

私はボソッとつぶやいた。

「パスタ?」

「うん。」

「よしっっ!!うまいパスタ作ってやるな?」

「…。あっあっありがとう…。」

「じゃあ材料見るか!!」

「うん。」

買い物をしているときずっと龍寺の服の裾を
ずっとつかんでいた。
離したら龍寺さえも自分を置いてどこかに
消えてしまいそうで怖かった。
自分や龍寺が思うより
私の「傷」は深く、心が痛かった。




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