僕に初めての感情を君が教えてくれた。
~金曜日~
授業が終わり、政宗くんと帰ることとなった。
「さぁ~摩耶!一緒に帰ろう!!」
「うん!」
~帰り道~
「いや~摩耶と同じ家に帰るなんて夢みたい。」
「そうだね。私も政宗くんと同じ家に帰るなんて夢みたい。幸せだなぁ。」
「一緒に同じ家に住もうよ?そしたらさ、一緒にいる時間が増えるし、もっとお互いのことを知ることができるでしょ?」
政宗くんは、真剣な顔をして言っている。
「政宗くん。でも、待って?私、まだ政宗くんのお家に行ったこと無いし、私達、まだ付き合ってやっと、この間1年経ったばっかりだよ?しかも、多分お母さんにこの話をしたらびっくりすると思うの。だから、一緒に住む話はもう少し待って?」
「うん!そうだね。でも、今後こともあるから、近いうちに摩耶のご両親にご挨拶させてね。」
「うん!そういえば、政宗くん。私、政宗くんから“何も持ってこないで”って言われたから本当に持ってきてないけど大丈夫?」
「うん!心配しなくて大丈夫だよ。あっ!摩耶、ここが僕の家ね!」
そう、指差された方向を見ると、絵本に出てきそうな大きなお屋敷があった。
(えっ!政宗くんってお金持ちだったの!?)
私が固まっていると、政宗くんが心配そうな顔でこちらを見ている。
「あの~政宗くんって、お金持ちだったの?」
「うん。びっくりした?結構、学校で有名な話だと思っていたから、知ってると思ってた。」
「やっぱり、手ぶらは悪い気がする。」
「いいんだよ。だって、摩耶は近いうちに家族になるんだから。さぁ行こう!」
政宗くんは、そういうと繋いでいる手を引っ張って家の中に入って行った。