転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「なにも見えなくなったんだ。でも、自分でも認められなくて……お前にも、見えるふりをしていた」
言い出せなかった。前向きなシエラを見ていると。俺の能力を純粋に求めてくれていたからこそ。
「……悪かった。お前は、せっかく俺をあの鳥かごのような場所から救い出してくれたのに。俺に、外の世界を教えてくれたのに。俺はまた、閉じ込められることになった」
まるで嵐のように、シエラが俺の前に現れるまでは、俺はあのままでいいと本気で思っていた。外へ出られなくてもいいと。
なのに、シエラと共に過ごし、こうしてシエラを前にすると……俺は何故か、まだ知らない外の世界を知りたいと願ってしまうんだ。だけど――。
「能力がない俺はお前の役には立たない。……お前の言う〝最強コンビ〟は解散だ」
俺とシエラの関係は、異能者同士だからこそ成り立つもの。
俺は、シエラに協力をしていただけ。〝今〟しか見えないシエラのかわりに、俺が〝未来〟を見る。それこそが、俺とシエラが一緒にいた理由。
片方が欠けてしまえば、コンビを組むことはできない。シエラにとって、俺はただのお荷物だ。
せめて、事件解決の手助けだけ最後にさせてほしい。解決ができなかったら、責任は全部俺に押し付ければいい。
シエラは、俺と違って弱くない。どんな逆境も乗り越える強さを持っている。俺なんていなくても、やっていける。
「いやだよ。……私、いや。解散なんて絶対しない」
「……え」
力を失ったことに落胆されると思っていたら、シエラの返事は予想外なものだった。
驚いて顔を上げると、シエラが俺の顔に手を伸ばす。
言い出せなかった。前向きなシエラを見ていると。俺の能力を純粋に求めてくれていたからこそ。
「……悪かった。お前は、せっかく俺をあの鳥かごのような場所から救い出してくれたのに。俺に、外の世界を教えてくれたのに。俺はまた、閉じ込められることになった」
まるで嵐のように、シエラが俺の前に現れるまでは、俺はあのままでいいと本気で思っていた。外へ出られなくてもいいと。
なのに、シエラと共に過ごし、こうしてシエラを前にすると……俺は何故か、まだ知らない外の世界を知りたいと願ってしまうんだ。だけど――。
「能力がない俺はお前の役には立たない。……お前の言う〝最強コンビ〟は解散だ」
俺とシエラの関係は、異能者同士だからこそ成り立つもの。
俺は、シエラに協力をしていただけ。〝今〟しか見えないシエラのかわりに、俺が〝未来〟を見る。それこそが、俺とシエラが一緒にいた理由。
片方が欠けてしまえば、コンビを組むことはできない。シエラにとって、俺はただのお荷物だ。
せめて、事件解決の手助けだけ最後にさせてほしい。解決ができなかったら、責任は全部俺に押し付ければいい。
シエラは、俺と違って弱くない。どんな逆境も乗り越える強さを持っている。俺なんていなくても、やっていける。
「いやだよ。……私、いや。解散なんて絶対しない」
「……え」
力を失ったことに落胆されると思っていたら、シエラの返事は予想外なものだった。
驚いて顔を上げると、シエラが俺の顔に手を伸ばす。