転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
ニールは私に、フィデルの手錠の鍵を差し出した。
ニールも、この鍵を手に入れるためにどれだけ奮闘したことだろう。この鍵には、私だけじゃなくニールの想いもつまっている。
「任せてニール。既に私は、地下牢の扉の鍵も手に入れてる。この鍵があれば、確実にフィデルを救い出せる」
しっかりと、私はニールから託された鍵を握りしめた。
「やはり、私の見越したとおり。シエラ様なら、やってくださると信じていました。さあ、早く行ってください! 怪しまれないうちに!」
私は頷いて、地下牢へ続く扉を開ける。深い地下へと続く薄暗い階段は、一歩踏み外せば奈落の底へと落ちてしまいそうだ。
「じゃあ、行ってくるわ」
「あ――シエラ様!」
階段を一歩降りたところで、ニールが私の名前を呼んだ。
振り返ると、ニールは優しい顔で微笑んでこちらを見ている。
「もし、この先にいるフィデル様が自分を否定したら……シエラ様が教えてあげてください。フィデル様には、シエラ様という素晴らしい女性がいることを」
「……私が、いることを?」
「はい。あなたの存在は、フィデル様にとってかけがえのないものとなっています。長年フィデル様を見ていたから、私にはわかるのです。そしてそれは――シエラ様も同じでしょう?」
そう。私にとって、フィデルはかけがえのない人。フィデルにとって私もそうだったら、これ
以上嬉しいことなんてない。
「言われなくても、そうするつもりだったわ」
「おお。さすがはフィデル様の相方ですね」
ふふん、と笑うと、ニールもにやりと笑う。
「では、行ってらっしゃいませ。シエラ様」
ニールは私に深くお辞儀すると、扉を閉めた。
ニールも、この鍵を手に入れるためにどれだけ奮闘したことだろう。この鍵には、私だけじゃなくニールの想いもつまっている。
「任せてニール。既に私は、地下牢の扉の鍵も手に入れてる。この鍵があれば、確実にフィデルを救い出せる」
しっかりと、私はニールから託された鍵を握りしめた。
「やはり、私の見越したとおり。シエラ様なら、やってくださると信じていました。さあ、早く行ってください! 怪しまれないうちに!」
私は頷いて、地下牢へ続く扉を開ける。深い地下へと続く薄暗い階段は、一歩踏み外せば奈落の底へと落ちてしまいそうだ。
「じゃあ、行ってくるわ」
「あ――シエラ様!」
階段を一歩降りたところで、ニールが私の名前を呼んだ。
振り返ると、ニールは優しい顔で微笑んでこちらを見ている。
「もし、この先にいるフィデル様が自分を否定したら……シエラ様が教えてあげてください。フィデル様には、シエラ様という素晴らしい女性がいることを」
「……私が、いることを?」
「はい。あなたの存在は、フィデル様にとってかけがえのないものとなっています。長年フィデル様を見ていたから、私にはわかるのです。そしてそれは――シエラ様も同じでしょう?」
そう。私にとって、フィデルはかけがえのない人。フィデルにとって私もそうだったら、これ
以上嬉しいことなんてない。
「言われなくても、そうするつもりだったわ」
「おお。さすがはフィデル様の相方ですね」
ふふん、と笑うと、ニールもにやりと笑う。
「では、行ってらっしゃいませ。シエラ様」
ニールは私に深くお辞儀すると、扉を閉めた。