転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
外の光がなくなり、暗くなる視界に苦戦しながらも、私はフィデルのもとへたどり着き、フィデルと一緒に地下牢から出ることに成功した。
成功報酬に、今までみたことのないフィデルのとびきりの笑顔を貰ったことは、私だけの秘密だ。
――そんなこんなで、私とフィデルはニールの待つ扉へと走った。
本当なら、フィデルを逃がす予定だったのだが、今は一刻も早く学園へと向かわなければならない。
階段を駆け上がり扉を開けると、一気に視界は明るくなった。
「シエラ様! ……フィデル様も!」
「ニール!? どうしてお前がここに! 無事だったのか!? 俺を、勝手に外に出したことで、お前はなにか処分を受ける羽目に――」
「私はシエラ様のサポートをしたまでです。ついでに、私は大丈夫ですから。いらない心配は無用ですよ」
私も密かに、フィデルと同じ心配をしていた。この件で、ニールは怒られていないのかと。大丈夫と聞いて、私もフィデルも胸をなでおろす。
「そんなことよりニール! 状況が変わったの! フィデルが見た予知は、学園で起きる事件だったのよ!」
「そうなんだ。最悪なことにその事件が起きるまで時間がない。俺たちはすぐに、学園へと行かなければならない」
「……学園で事件が? あの、爆発がですか!?」
驚くニールに、私たちは無言で頷く。
「大変です……! おふたりは、早く学園へと向かってください! 今はドリス様が城で騒ぎ立ててくれてるお陰で、兵士がそちらにつきっきりになっていて警備は甘くなっています! 事件のことは、すぐに陛下とドリス様に私が伝えますから!」
「わ、わかったわ!」
ドリスさんが騒ぎ立ててくれているっていうのが気になる。多分、私とフィデルが逃げやすいように、兵士の目を自分に向けてくれているってことだろうけど。
成功報酬に、今までみたことのないフィデルのとびきりの笑顔を貰ったことは、私だけの秘密だ。
――そんなこんなで、私とフィデルはニールの待つ扉へと走った。
本当なら、フィデルを逃がす予定だったのだが、今は一刻も早く学園へと向かわなければならない。
階段を駆け上がり扉を開けると、一気に視界は明るくなった。
「シエラ様! ……フィデル様も!」
「ニール!? どうしてお前がここに! 無事だったのか!? 俺を、勝手に外に出したことで、お前はなにか処分を受ける羽目に――」
「私はシエラ様のサポートをしたまでです。ついでに、私は大丈夫ですから。いらない心配は無用ですよ」
私も密かに、フィデルと同じ心配をしていた。この件で、ニールは怒られていないのかと。大丈夫と聞いて、私もフィデルも胸をなでおろす。
「そんなことよりニール! 状況が変わったの! フィデルが見た予知は、学園で起きる事件だったのよ!」
「そうなんだ。最悪なことにその事件が起きるまで時間がない。俺たちはすぐに、学園へと行かなければならない」
「……学園で事件が? あの、爆発がですか!?」
驚くニールに、私たちは無言で頷く。
「大変です……! おふたりは、早く学園へと向かってください! 今はドリス様が城で騒ぎ立ててくれてるお陰で、兵士がそちらにつきっきりになっていて警備は甘くなっています! 事件のことは、すぐに陛下とドリス様に私が伝えますから!」
「わ、わかったわ!」
ドリスさんが騒ぎ立ててくれているっていうのが気になる。多分、私とフィデルが逃げやすいように、兵士の目を自分に向けてくれているってことだろうけど。