転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「急ぐぞシエラ! 今、学園の様子は見れるか!?」
「任せてっ! 走りながら、頑張って見るから!」
馬を用意してもらう時間もないので、私とフィデルは全力疾走した。
幸い、城から学園までそう遠くはない。走りながら、力を使って学園を見る。学園は私が通っていたこともあり、ばっちりと記憶に残っている、
なので建物内どこでも、私の目で見れるというわけだ。
――楽しそうに演説をしているエリオットとロレッタが見える。
あ、いちばん後ろにいる新入生があくびしてる。
これから事件が起きるとは思えないほど、平和な日常の一コマだ。
「人はほとんど演説をしてるホール内に集まってるわ! まだ、おかしな様子は見当たらない!」
「そうか。じゃあ次はコディを見てくれ。あいつは新入生じゃない。あいつが今日学園にいたら、事件が起きる確率はほぼ百だ!」
〝百〟と言われ、心臓の音が大きくなる。見なきゃいけないのに、見るのが怖い。
もし、コディが学園にいたら、本当に事件が起きてしまう。
恐る恐る、力を使ってコディを見た。
「……っ!」
私の目に、はっきりと映った。制服を着たコディが、ホールの近くにある教室の廊下を歩いている。
「……コディが、学園にいる!」
「! よく見ろ。おかしなところはないか!?」
「なにか、手に持ってる。四角い塊みたいなのと、小さな、スイッチみたいな……」
私に見えているのは、おもちゃ屋で会ったときのコディではない。
ふらふらと歩き、目には一切の光を宿さず、まるで感情のない人形のようだ。
「やっぱり、あいつが犯人か……っ!」
「そんな、どうして……どうしてコディが」
「しっかりしろシエラ! 早くあいつを止めないと……!」
「任せてっ! 走りながら、頑張って見るから!」
馬を用意してもらう時間もないので、私とフィデルは全力疾走した。
幸い、城から学園までそう遠くはない。走りながら、力を使って学園を見る。学園は私が通っていたこともあり、ばっちりと記憶に残っている、
なので建物内どこでも、私の目で見れるというわけだ。
――楽しそうに演説をしているエリオットとロレッタが見える。
あ、いちばん後ろにいる新入生があくびしてる。
これから事件が起きるとは思えないほど、平和な日常の一コマだ。
「人はほとんど演説をしてるホール内に集まってるわ! まだ、おかしな様子は見当たらない!」
「そうか。じゃあ次はコディを見てくれ。あいつは新入生じゃない。あいつが今日学園にいたら、事件が起きる確率はほぼ百だ!」
〝百〟と言われ、心臓の音が大きくなる。見なきゃいけないのに、見るのが怖い。
もし、コディが学園にいたら、本当に事件が起きてしまう。
恐る恐る、力を使ってコディを見た。
「……っ!」
私の目に、はっきりと映った。制服を着たコディが、ホールの近くにある教室の廊下を歩いている。
「……コディが、学園にいる!」
「! よく見ろ。おかしなところはないか!?」
「なにか、手に持ってる。四角い塊みたいなのと、小さな、スイッチみたいな……」
私に見えているのは、おもちゃ屋で会ったときのコディではない。
ふらふらと歩き、目には一切の光を宿さず、まるで感情のない人形のようだ。
「やっぱり、あいつが犯人か……っ!」
「そんな、どうして……どうしてコディが」
「しっかりしろシエラ! 早くあいつを止めないと……!」