転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
学園が事件現場になるというのは、エリットの頭になかったのだろうか。もしかすると、学園が事件現場なら、私たちがすぐに気づくと考えたのか。確かに、予知を見たのが私だったなら……それか、フィデルが普通に学園に通っていたら、すぐに気づくことができただろう。
私たちが事件現場特定に苦戦していたので、エリオットは、私もフィデルも馴染みがない場所で事件が起きると安心していたのかもしれない。
「……エリオットが最低な人間だということは、昔から知っている。そんな話は、もはや今はどうでもいい。俺が聞きたいのは、お前のことだ」
「僕? 僕なんかに興味があるんですか? 変わってますね。フィデル様は」
「お前がこの事件を起こした理由はなんだ」
へらへらと作り笑いを浮かべるコディを、フィデルが睨みつける。コディの顔から、笑顔が消えた。
「ロレッタ様……あの女、僕を裏切ったんだ」
コディの口調と声色が一変する。
「エリオット様は、自分の欲のためにロレッタ様を捨てようとした。だから僕は、すぐにエリオット様から離れたほうがいいと言いにいったんだ。なのに、僕の言うことを全部『妄想だ。気持ち悪い』って……。ロレッタ様は、エリオット様に洗脳されている。だから、僕が救ってあげようと思った! 婚約破棄されれば、ロレッタ様も目を覚まして、僕の言ってたことを信じてくれるって思ったんだ! なのに……」
「……コディが言うことを聞いたにも関わらず、エリオットは婚約破棄をしなかったのね」
「そうだ。僕が作戦をやり遂げたあと、あのふたりは僕を見て笑ってたよ。そのとき、全部わかった。ふたりはグルだったんだって。エリオット様はあなたたちを潰すために、なんでも言うことを聞く従順な〝おもちゃ〟を探していた。あの女は、僕をその〝おもちゃ〟として、エリオット様に提供したんだ。僕の気持ちを知りながら……。目が覚めたのは、僕のほうだったよ」
コディの話を聞きながら、私は昨日の夜エリオットに言われたことを思い出していた。
ロレッタと別れて、私とやりなおす――。わかっていたけど、やはり私の持つ力が諦めきれず言ったことだったのね。
もしまた私が正式に婚約者になったとしても、昔のようお飾り婚約者を続けさせられ、裏でロレッタと一緒にいる気だったんだわ。
どの世界でもある話だ。仮面夫婦を演じながら、裏で愛人がいるなんて下世話な話。
私たちが事件現場特定に苦戦していたので、エリオットは、私もフィデルも馴染みがない場所で事件が起きると安心していたのかもしれない。
「……エリオットが最低な人間だということは、昔から知っている。そんな話は、もはや今はどうでもいい。俺が聞きたいのは、お前のことだ」
「僕? 僕なんかに興味があるんですか? 変わってますね。フィデル様は」
「お前がこの事件を起こした理由はなんだ」
へらへらと作り笑いを浮かべるコディを、フィデルが睨みつける。コディの顔から、笑顔が消えた。
「ロレッタ様……あの女、僕を裏切ったんだ」
コディの口調と声色が一変する。
「エリオット様は、自分の欲のためにロレッタ様を捨てようとした。だから僕は、すぐにエリオット様から離れたほうがいいと言いにいったんだ。なのに、僕の言うことを全部『妄想だ。気持ち悪い』って……。ロレッタ様は、エリオット様に洗脳されている。だから、僕が救ってあげようと思った! 婚約破棄されれば、ロレッタ様も目を覚まして、僕の言ってたことを信じてくれるって思ったんだ! なのに……」
「……コディが言うことを聞いたにも関わらず、エリオットは婚約破棄をしなかったのね」
「そうだ。僕が作戦をやり遂げたあと、あのふたりは僕を見て笑ってたよ。そのとき、全部わかった。ふたりはグルだったんだって。エリオット様はあなたたちを潰すために、なんでも言うことを聞く従順な〝おもちゃ〟を探していた。あの女は、僕をその〝おもちゃ〟として、エリオット様に提供したんだ。僕の気持ちを知りながら……。目が覚めたのは、僕のほうだったよ」
コディの話を聞きながら、私は昨日の夜エリオットに言われたことを思い出していた。
ロレッタと別れて、私とやりなおす――。わかっていたけど、やはり私の持つ力が諦めきれず言ったことだったのね。
もしまた私が正式に婚約者になったとしても、昔のようお飾り婚約者を続けさせられ、裏でロレッタと一緒にいる気だったんだわ。
どの世界でもある話だ。仮面夫婦を演じながら、裏で愛人がいるなんて下世話な話。